息子の幼稚園ではしばしば毛糸や羊毛を使った工作をやるようで、時々でき上がった作品を渡されます。
とはいえとんでもなく不器用な息子、そもそもこの系統の工作には興味が薄いこともあり、持ち帰るのは大抵作品とは言い難いようなぐちゃぐちゃの毛糸の塊。
先日も細い棒にランダムに毛糸を巻き付けたものがカバンに入れられており、一体何を作りたかったんだろうと首をひねってしまいました。
息子はこういった作品群に思い入れのないタイプなので、いつもはすぐに破棄してしまいます。
しかしながら先日は、その毛糸の塊を見て何だか心苦しくなりました。
試しにほどいてみると、そこそこの長さがあります。
「これ、何か編めないかな」
ふとそんな考えが頭をよぎりました。
私はミシン針が自分の方に迫って来る感覚が怖くて、できるだけ裁縫するのを避けている人です。
息子の入園時も、手作りグッズのほとんどは母にお願いしたほど。
ただし編み物だけは、小さい頃そこそこ好きでした。
かぎ針編みで丸いコースターのようなものを作っては満足し、最終的には棒針編みに挑戦して一巻きしかできない短いマフラーを作成した思い出も。
私の気力と毛糸がそこで尽きてしまったがゆえでございます。
そのマフラーエピソードを脳裏で再現しながら、夜中に裁縫箱の中に眠っているかぎ針を引っ張り出してきました。
かぎ針と毛糸を手に持ち構えるところまではできたのですが、はてさてどうやって編むのだっけと無駄に手を動かすこと数回。
諦めて、深夜11時に「かぎ針 編み方」などと検索いたしました。
そうして何とか怪しいながらも編み目を作ることに成功。
手元にある毛糸の長さと私の技術力からして凝ったものは作れないと思い、ひたすら編み目作りの練習をするかのように一直線に編み続けました。
うーん、何でしょうこれは。
ただの紐ですが、強いて言えばミサンガに似ている?
そう思って、手首に巻いてみました。
長過ぎたせいで、手首を3周してしまいました。
本物のミサンガは糸を三つ編みしていたはずと思うのですが、こちらの毛糸は複数の色が1本の中に混ぜられているので何となくそれに近いニュアンスが出ます。
まがいもの的な雰囲気がプンプンしておりますが。
それでも何か願をかければ叶うかもと思い、1つ願い事を考えました。
こんなちっぽけなものに世界平和などは託せないので、あくまでも個人的なことです。
言ってしまうと叶わなくなる気がするので、叶ったら言いますね。
無心にもくもくと編んだ紐の表面に指を這わせると、不思議なことに胸の奥からわくわくした気持ちがこみあげてきます。
自由時間をつぶしてまで不要不急のものをハンドメイドする人の気持ちが、その瞬間初めて少しだけ分かった気がしました。
いずれはクリスマスのプレゼント用靴下なんかを自作できたら素敵だと思いますけれど、今年のクリスマスまでには時間がなさ過ぎますね。
まずは毛糸を買って、図書館で『初めての編み物』みたいな感じの本を借りてきましょうか。
夜なべをして靴下や手袋を編める日は来るのかどうか。
「母ちゃん、夜なべしてミサンガ作ってみたよ」
寝床に入る時、子ども達にそうささやいたのでありました。
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