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【連載】熟れすぎMANGO VOL.109

2017/09/26【 連載 】

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「「夫婦」を楽しむちはるのスーパーポジティブY談」をお届けします。

マモーミモー25年ぶりの復活!

題名で「懐かしい!」と思ってくれた方、とても有り難いのですが、歳がバレちゃいますね(笑)。先月号も本文の下に小さく写真を載せて頂いたのですが、私的には大ニュースだったので、今回はその時のことをじっくりしんみり書きたいと思います。20代の読者さんには「マモーミモーって何?」って感じだと思うので簡単にご説明しますね。

今から四半世紀前、ウッチャンナンチャン初のゴールデン冠番組「やるならやらねば」のコントの中で「マモーミモー」という妖怪キャラクターが誕生。そのキモ面白さが受けて結構な人気となりました。CDを出せばオリコン初登場2位! 当時、出来たばかりの千葉マリンスタジアムに5000人を集め、今で言うコスプレイベント「マモーミモー教の祭典」なるものを開催するなど、はじけてました。
マモーに扮するのは当時26歳の若き内村光良さん。そしてミモーは、右も左も分からない20歳の私、ちはるだったのです̶̶。


 あれから25年。そのマモーミモーが一夜限りの復活をすることになった。しかも局の垣根を飛び越え、当時フジテレビさんでやっていたキャラクターがNHKで! 内村さんが現在やられているNHK総合のコント番組からのまさかのオファー。これは本当に驚きだった。

 今回どうして復活することになったのか? それは内村さんがNHKの衣装部屋でマモーの衣装を見つけたことから始まる。
マモーさま特注の紫のスーツがフジテレビから流れ流れて何故かNHKにあったのだ。両局とも東京衣裳さんが入っているので、きっとどこかで交ざって運ばれてきたのだろう。でも25年前の衣装が処分されず偶然にもご本人に発見されるなんて!
これには運命を感じた内村さんも「やるならやらねば!」と決意したんだそうだ。今も変わらずコントを愛し、新しい作品を作り続けているウッチャン。「コントの神様っているんだなって改めて感じたよ。奇跡だよな。」と、昔と変わらず柔らかい笑顔。この人こそ神様だと思った。

 私はこのミモーというキャラクターで世に出た。でもミモーは私の理想ではなかった。獅子舞のようなカツラを被り、顔をオレンジに塗って、更にシワを描きまくるというかなりのキワモノ。まだケツの青い小娘だった私は、正直ミモーになるのが嫌だった。長い収録の間、素顔になれるのが殆どないのが悲しかった。人気が出てからも違う現場や街を歩いても常にミモーと呼ばれ、代名詞のように付いて回った。悪質なイタズラで、思いきって買った新車にまで、「ミモー」と大きく刻まれ、直すお金もなく暫くそのまま乗り続けたのは苦い思い出だ。

 ウッチャンは、そんな私をいつもさりげなく励ましてくれた。「ミモーはおまえが思ってるよりずっと可愛いんだぞ」とチャーハンを頬張りながら優しく言ってくれた。実家が同じ酒屋という境遇だったので、コンビニに押されて無くなっていく酒屋の現状を嘆いたり、意外と真面目な話もしてたな(笑)。
誕生日にチャップリンの「街の灯」という映画のビデオを貰ったことがある。「俺もいつかこんな映画を撮ってみたいんだ」と呟いたのを聞いて、こんなスターになってもこの人はずっと夢を追いかけ続けるんだなぁと感動したことを強く覚えている。

 久しぶりにお会いしても、あの頃と全く変わらない真っすぐな姿勢。二人でネタ合わせをしても瞬時にタイムスリップするような不思議な感覚だった。「おまえも変わらねぇなあ」ウッチャンが言った。あなたが変わらないで居てくれるからです。心の中で呟き、口には出さなかった。
鏡に映る25年ぶりのミモーは自分でも驚くぐらい可愛くみえた。45歳の私の理想がそこにいた。「理想って懐かしさの中にあるんだね」私の唐突な呟きにウッチャンはただただ柔らかく微笑んだだけだった。

文/ちはる
ちはる テレビ、CF,著書の企画、プロデュースなどで活躍中。2012年、14歳年下の旦那くんと再婚。目黒でカフェ「チャム・アパートメント」を経営。

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