余命宣告された親が怒り出す⁉︎死の告知を受けた人に起こる5段階の心の変化とは
チャイルドコーチングアドバイザーでライフコーチ、サンキュ!STYLEライターの山名美穂です。
自分が40~50代になると、高齢の親の「死」がぐっと身近になります。
すでに死の告知を受けた親をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。今は元気な親も、遠からず余命宣告を受ける可能性はあります。
死を宣告された親は、その後どのような気持ちの変化をたどるのでしょうか。
多くの人は「死の受容の5段階」を経て死を受け入れる
「死の受容の5段階」は、多くの人がたどる死の受け入れまでの心理を、アメリカの精神科医エリザベス・キューブラ―・ロスが段階づけたものです。
死の宣告を受けた人は、下の5つの段階を経て死を受容していきます。
1.否認
2.怒り
3.取引
4.抑うつ
5.受容
「死の受容の5段階」を知っておくと、死に直面したときの親の心境・言動の変化に寄り添うことができます。また、私たち子どもが親との時間を充実させ、自身の人生を前進させるヒントにもなります。
1.否認
死の宣告を受けたとき、最初に起こるのは「否認」です。
・自分が死ぬということを受け入れられない
・死の宣告は嘘だと思う
といった感情が湧き上がります。
2.怒り
「否認」の後にやってくるのが「怒り」です。
・どうして自分が死ななければいけないのか
という気持ちです。
この怒りは、周囲の人間にも向きます。家族に対して感情的に怒り出すこともあれば、イヤミや皮肉として医療者・介護者にぶつけられることもあります。
3.取引
「怒り」の次が「取引」です。
・善行(寄付など)によって、救われようとする
・宗教活動をすることで、助かろうとする
・これまでの生活習慣を改めることで、死を回避できるのではと考える
など、なにかと取引を行い死を避けようとする段階です。
4.抑うつ
「取引」の段階を経て「抑うつ」状態になります。死に抗えないことが分かり、無力感や絶望感にさいなまれて落ち込みます。
5.受容
最後に、現状と死の受け入れる「受容」の段階に入ります。死を自然な現象と捉え、平穏なこころを手に入れます。
死を宣告された親は、様々な感情を体験すると知っておく
全ての人が「死の受容の5段階」を経て死を迎えるわけではありません。しかし、死の宣告を受けた人が様々な感情を体験することは確かでしょう。
「死の受容の5段階」の知識は、余命宣告を受けた親の気持ちの理解・尊重につながります。また私たち子どもが、必要以上に親の感情に振り回されるのを回避する術にもなるはずです。
高齢の親を持つ方は、残された親との時間を充実させるヒントとして「死の受容の5段階」を胸に留めておいていただけたらと思います。
■この記事を書いたのは…山名美穂
チャイルドコーチングアドバイザー、全米/日本NLP協会認定マスタープラクティショナー、LABプロファイルプラクティショナー
コーチングや心理学NLPの考えをベースに、子育てや女性のマインドの記事を中心に書いています。
*NLP=神経言語プログラミング。脳とこころの取り扱い説明書とも言われる、実践的心理学です。