終活は気力と体力勝負⁉「エンディングノート」は元気な40代・50代から書き始めよう

2024/07/13
  • 子育て・マインド分野を得意とするWEBライター。チャイルドコーチングアドバイザー、ライフコーチもっと見る>>

サンキュ!STYLEライターの山名美穂です。「在宅介護インストラクター」「終活ライフケアプランナー」の資格取得に向けて勉強中です。

身近な終活のひとつとして、幅広く知られる「エンディングノート」。書き始めると分かるのが「エンディングノートを書くのは案外疲れる」ということです。40代の筆者が実際に書いてみて困ったこと、今すぐ始められる終活についてまとめました。

最期に希望や考えを伝えるための「エンディングノート」

「エンディングノート」とは、人生の最期を迎えるにあたり、自身の考えや希望を周囲に伝えるためのノートです。遺言のように法的な効力はありませんが、何度でも書き換えられ、自分の過去から死後のことまで幅広いトピックに関して書けるのが特徴です。

自分でノートを用意して「エンディングノート」としてももちろんOKですが、あらかじめ書く項目が決まっている市販のエンディングノートを使うのが便利でおすすめです。

「エンディングノート」にはなにを書く?

エンディングノートに記すことは、使用するエンディングノートの書式や、書く人によってさまざまですが、共通した代表的な項目には下のようなものがあります。

・名前や生年月日などの基本情報
・かかりつけ医や飲んでいる薬などの健康情報
・預貯金や株・不動産や負債など、財産に関する情報
・年金や保険の情報
・クレジットカードに関する情報
・家族や親族・友人知人に関する情報
・パソコンや携帯電話に関する情報
・介護や看護についての希望・要望
・お葬式など自分の死後についての希望・要望
・自分史や周囲への想い……など

どの項目から書かなければいけない、という決まりははく、自分が書けるところから始めれば大丈夫です。

実際にエンディングノートを書いてみて分かる「困った!」とは

すでにエンディングノートを持っており、絶賛書き途中の筆者。実際に書き始めてから起こった「困った!」をシェアします。書きやすい項目、書きにくい項目は人によって違うと思いますが、例としてご覧ください。

アカウントを持つサイトが把握しきれない

ECサイトやSNS、フリーメールアドレスの取得などのために作ったアカウントの数々。それらのアカウント名やパスワードが、案外管理できていないと発覚しました。パスワードを要さないものでも、公式LINEやメルマガも含めると、膨大な数の登録を繰り返してきたはずです。

エンディングノートをきっかけに、分かるところからアカウント情報の整理、使わないサイトや公式LINE・メルマガなどの停止・退会を始めましたが、正直なところ全部を把握する日がくる自信はないです……。

ネットショップやサイトは閉鎖されたり統合されたりもするので、日ごろからこまめに使わないアカウントや登録は削除するのが大切だと思いました。

親族のことを案外知らなかった!「家系図」が書けない問題

エンディングノートには家系図や親族に関しての項目があります。もともと親戚づきあいのあまりない核家族で育った筆者。家系図はじめ親族の情報が全然書けないことに気づきました。義両親とも別居しており、頻繁に連絡を取るわけではないので、夫の親族関係もよく分からない……。

親族間でも年賀状の文化は縮小中。兄弟や従妹が結婚したことで、親族は増えている。だからといって親や親族に、改めて家系について聞くのもハードルが高く……。

自分の葬儀などのことを考えると家系図の把握は必要かもしれないとは思います。しかし調べるほど興味も湧かず、ほったらかしになっています。

「葬儀はどうしたい?」多様化する「お別れの仕方」から選べない

親戚づきあいの少ない核家族であることで、もうひとつ困ったのが「葬儀」について。お寺や葬儀場のことなど、これまで上の世代がどうやってきたのかが、よく分かりません。

また、葬儀やお墓についても、時代と共に価値観ややり方が多様化していますよね。コロナ禍で家族葬も増えたはずです。自分もこじんまりやりたいなとは思うものの、どこでどんな葬儀を行うのが妥当なのか調べるのに時間がかかりました。また、なにが自分や家族にとって望ましいのかも、考えてもピンときません。

これに関しては、何度でも書き換えられるエンディングノートの特性を活かし、暫定的にでも今の希望を書くことにしました。

「自分史」や「自分の想い」…いやいや、気恥ずかしいです。

自分史や自分の想いを書くページでは、完全に思考と手が止まってしまいました。人間、ひとりひとりに唯一の歴史があり、他の人のそれは尊重したいと思っています。しかし自分には「歴史」などと呼べるものもなく、取り立てて伝えたいこともないような気もします。そんな状態で自分の気持ちを繰り出そうとしても、ひとりでは気恥ずかしいばかりです。

自分史や自分の想いは、自身の過去を振り返り、現在や未来につなげる大切な行為。分かっていても、わたしには難しいです。これも、この先歳を重ねれば、ふり返りたいこと伝えたいことが出てくるのかな?と思いながら、白紙のままです。

「一度にまとめて書く」のは困難!気力や体力がある「今」からエンディングノートを書き始めよう

エンディングノートには自分が把握していないことや、考えたことがないことを書く項目が思いのほかあります。さらに、相続や終末医療などに関しては、多少なりとも知識がないと希望も出せません。

考えながら、調べながら書き進めるのには、時間と気力・体力を使います。エンディングノートは好きなタイミングで書き始めればいいものですが、気力・体力や判断力がある40~50代ごろから始めたほうがいいのではないかと思いました。

まだエンディングノートは持っていない方も、書き途中で止まっている方も、この記事を機に書けるところから書いたり、考えたりしてもらえると嬉しいです。

また、使っていない銀行口座やクレジットカードを解約する、使わないアカウントは消す、見られたくないもの・家族が処分に困りそうなものは捨てるなど、日常生活の中でできることを見つけて実行していくのも、エンディングノートの作成や終活に役立つはずです。

■この記事を書いたのは…山名美穂
チャイルドコーチングアドバイザー、全米/日本NLP協会認定マスタープラクティショナー、LABプロファイルプラクティショナー
「在宅介護インストラクター」「終活ライフケアプランナー」の資格取得に向けて勉強中。
コーチングや心理学NLPの考えをベースに、子育てや女性のマインドの記事を中心に書いています。
*NLP=神経言語プログラミング。脳とこころの取り扱い説明書とも言われる、実践的心理学です。

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