歯磨きしてても歯医者での検診は必要?定期検診の重要ポイントはここ

2023/10/13
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歯医者さんでの定期検診には通っていますか?なかなか来ない患者さんに理由をお尋ねすると「歯磨きをしっかりとしているから大丈夫」と言われる方がちらほらみえます。
確かに、歯磨きさえしっかりと行って、歯医者さんの定期検診代を浮かせようと考える気持ちもわかる気がします。しかし、実は歯医者さんの定期検診では毎日の歯磨きでは補えないことも行っています。
今回は歯医者さんの定期検診に通うことはどんなメリットがあるのかを日本の予防歯科最先端の法人JOFに所属する現役歯科医師の野尻真里が解説したいと思います。

歯周病の検診ができる

症状が何もないまま進行していく病気が歯周病です。そのため、自分で気が付いた時には歯が揺れてきて手遅れにということになりかねません。
定期的に検診を行うことで、現在の歯茎の炎症程度、歯を支える骨の状態をしっかりと確認することができます。また、歯石の有無の確認と除去も行います。歯石の付着は歯周病の進行に影響を及ぼすのですが歯ブラシで取り除くことができません。歯石が特に付着しやすい部分は、下の前歯の裏側と上の奥歯の表面です。どちらも唾液腺というヨダレが出てくる出口の近くなのですが、自分では見えづらく、歯石が付着していても気が付かないことが多いです。

バイオフィルムの定期的な破壊が重要

バイオフィルムとは細菌が凝集して膜を張ったものです。これは歯ブラシでも完全に除去しきるのは難しく、ましてや歯と歯茎の間の溝(歯周ポケット)部分はなかなか歯ブラシが届きません。歯科医院にある専門の機械で定期的に破壊することで、細菌の量は減っていきます。
上記した歯石の除去も重要ですが、このお口全体のバイオフィルムの破壊も重要です。
また、専用の機械とペーストで歯面の研磨も行うのですが、歯面が滑沢になることで細菌が付着しづらくなります。普段の歯磨きでは行えないことを補うため、定期検診は単なる歯磨き屋さんではないのです。

歯磨きの確認ができ方法が学べる

自分ではしっかりと歯磨きができているつもりでも、汚れの染め出しを行うと磨けていない部分があったり、被せ物の下やブリッジ(連なっている被せ物)に汚れがたまっていたり、歯間ブラシの使い方がまちがっていたり、、と歯磨きは意外にも難しいものです。
衛生士さんから磨き方の指導を受けて、練習を重ねることで磨き残しのない歯磨きが行えるようになっていきます。

磨き残しは、虫歯や歯周病、口臭の原因となります。毎日のケアが不十分にならないように定期的に歯磨きは見直したいものです。

定期検診を長期的に通うことで経過を見てもらえる

検診に来院されるたびに、レントゲン写真、お口の中の写真(口腔内写真)、歯周ポケットの検査結果、歯磨きの癖、生活習慣に関する問診、、などなど歯科医院でお口の中に関連する資料をしっかりと記録しています。
長期的に定期検診にみえている患者さんは、経過の比較がしやすくちょっとした異常にも気が付きやすいです。そのため様子を見ていた虫歯の進行や、歯周病の進行の原因究明もしやすく早い対処を行うこともできます。

歯の定期検診は絶対に必要!

歯の定期検診は絶対に必要!ということが伝わったのではないでしょうか?
確かに検診にはお金もかかってきますが、長い目で見れば、歯が悪くなって自費の被せ物にするお金やインプラントにするお金を考えるとさほど大したことはありません。
何よりもお金ではなく、自分の歯が高齢になってもずっとお口の中に残っている喜びは大きなものです。毎日の歯磨きを丁寧に行うことは勿論ですが、そこにうまく歯医者さんを活用することで、本当の予防を成功させてくださいね。

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