【あなたは大丈夫?】歯周病の進行症状チェックリスト

2023/12/19
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現在、生活習慣病であり、国民病である歯周病。歯周病は基本的に目立った症状がなく進行していきます。そのため、異変に気付いた時には手遅れという事態も少なくありません。
歯周病の診断基準の一つに、"歯周ポケット"と呼ばれる歯と歯茎の間の溝の深さが4ミリ以上であるという診断項目があります。
令和4年の歯科疾患実態調査では、この歯周ポケット4ミリ以上の人が5~74歳は最も高い56.2%、75歳以上では56.0%、15~24歳においても2割程度存在しており、早期からの歯周病対策が重要であることが改めて示される結果となりました。
歯周病は症状が出る前からの予防が特に重要視されるのですが、現在歯周病に罹っているかどうか知りたいという人の進行症状チェックリストをまとめました。

歯茎から分かる歯周病の症状

・歯茎に赤みがある
・歯茎が腫れぼったい
・歯茎のかゆみや歯の浮いた感じがある
・歯磨き時に歯茎から出血がある
・下の前歯の裏側をベロで触るとザラザラする(歯石の付着)
・歯茎を押すと血や膿が出てくる

どれも歯周病という意識がないと、病院に行くほどでもないなと我慢してやりすごしてしまえる症状です。
この状態が続いているのに放置していると歯周病はどんどん進行していきます。
特に歯磨き時の出血は血が出るからとその部分を避けて磨く人も多くみえるのですが、歯磨きでしっかり細菌を落としてあげることで徐々に出血は治まってきます。
また、歯茎のかゆみは、歯茎のマッサージが足りないと思われる方もみえるのですが、歯茎のマッサージでは歯茎の状態は何も改善されないため重要ではありません。歯磨きの徹底と歯石の除去を行うことでこの症状も軽減されることがほとんどです。

生活の中で気になる歯周病の症状

・歯磨きをしても口臭がする
・起床時に口の中がねばつく
・噛んだ時に歯に鈍痛がある

ネバツキや口臭は気にされる方は気にして来院されますが、マウスウォッシュやキシリトールガムで乗り切ってしまう人もいます。
起床時の口臭は誰にでも起こりますが、歯周病の方では、歯周病特有の強い口臭がすることがあります。ねばつきが強い場合も歯周病によるものであることが多いです。
どれだけ歯磨きをしても口臭が気になる人は一度歯医者さんで相談をしてみて下さい。
噛んだ時の鈍痛は、虫歯の可能性もありますが、歯茎が炎症している時にも起こり得る症状の一つです。しかし、歯茎が原因の場合、耐えきれないほどの痛みというのは少なく、ほとんどが一時的に炎症が治まると症状も改善されるためなかなか来院の切っ掛けとまではならないのが現状です。

歯周病によって歯茎が下がったことで起こる症状

歯周病の進行によって歯を支える骨などの組織が溶けると、歯茎も下がっていきます。
歯茎が下がると、本来歯茎に埋まっているはずの歯の根元部分が見えてきます。根元部分がお口の中に晒されることによって下記のような症状が起こってきます。

・歯が伸びたような見た目になる
・知覚過敏が生じる
・歯と歯の間に物詰まりがしやすくなる

初期の歯周病では見られない症状のため、これらの症状が見られたら急いで歯科医院に行く必要があります。
一度下がってしまった歯茎を全体的に歯周病に罹る前の元の状態に戻すことはできないためこれ以上の進行が起きないようにしっかりと治療、管理をする必要があります。

進行した歯周病により歯が動揺することで起こる症状

歯周病は進行するにつれて歯を支える周囲の組織をどんどんと失います。
その結果、支えが少なくなった歯は動揺し、いずれ抜け落ちてしまうのですが、動揺し始めたことによって生じる症状もあります。

・サ行の発音がしづらくなる
・歯並びが変化した
・歯が揺れて気になる、痛い、物が噛めない

この場合、歯周病はかなり進行しています。歯が揺れ始めて気が付く人も多くいるため、普段の定期検診は重要ですね。
定期検診では歯茎の検査や記録をしっかりと行うので歯周病の進行を比較しんがら経過を見ることができ、早めの対策を講じることができます。

症状が出てからでは遅いのが歯周病

いかがだったでしょうか?本来ならば何も症状がなくても検診に行くことが大切ですが、上記に一つでも当てはまったら特に急いで検診に行ってみましょう。虫歯も歯周病も何か症状がおきてからではすでに手遅れの状態まで進行していることがほとんどです。
どんなに良い被せ物やインプラントよりも、何も治療をしていない自分の歯には敵いません。そしてどんなに良い治療を行っても、お口の中の環境が虫歯菌や歯周病細菌が活発なお口の中では長持ちもしません。
一生涯自分の歯で過ごすために、家族皆で定期的に検診に行きたいですね。

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