「追い出し部屋」に学ぶ モノとの関係 ワンピース物語
こんにちは。
札幌に住む整理収納アドバイザー渡部夏代です。
やりたくなる片づけ。
毎日の片づけを楽しく続けるためにできることをいつも考えております。
追い出し部屋はリストラ対象社員を自主退職させる部署の俗称
日本の企業は一度雇った従業員を簡単に解雇できません。たとえアルバイトでもです。
労働法で定められているので、よほどのことが無い限り働く権利が保障されています。
そこでできたのが「追い出し部屋」そういう名前の部署が存在するわけではなく、もっともらしい名称がついています。
そこに異動になったリストラ候補の社員は、毎日単純作業をさせられたり、場合によっては何もせずに1日中机に座っているだけという処遇もあったそうです。(違法のケースもあり)
何もしないで朝9時から夕方5時まで席についているのは苦痛です。
耐え切れなくなった社員の多くは自主退職するという顛末です。
ちょっと酷い話だなと思いますけど、会社も経営ですから余分な人材に割く余裕はないという側面もあります。
ただ、その会社にとっては必要ない社員と判定されてしまったとしても、他の場所で能力を発揮できるかもしれません。
そう考えると、さっさと退職したほうが良い場合もあります。
モノに置き換えてみると
モノを擬人化するのは好きではありませんが、ワンピースの例で考えてみたいと思います。
自分はある高価なワンピースとして生まれてきた!
私はワンピースです。
10万円という値段がついて百貨店で販売されていました。
来店するお客様はみんな、自分を手に取って「素敵ね~」と言います。
店員さんも「このワンピースは素材が〇〇で、デザインも××で・・」と私の素晴らしさを存分に語ってくれます。
試着してくださる方もいますが、高級過ぎて手が届かないと残念そうに帰っていかれる人もいます。
そう、私は「高嶺の花」なのです。
誰もが憧れるけど、簡単に手に入れることができない高級な品。
その頃が自分にとって一番輝かしい時代でした。
持ち主が現れる
ある時、ワンピースを買いに来たお客様がいました。
そのお客様は私を気に入ってくれて、私はその人の家に招かれました。
クローゼットに収められ、外出のたびに私の出番です。
いろいろなところに連れていかれました。やはりそこでも私は「素敵ね」と称えられます。
その頃もとても楽しい時代でした。
だんだん出番がなくなる
私は、お出かけに使われる機会が減ってきました。
他にも新しいワンピースがやってきました。私の出番はどんどん少なくなっていきました。
クローゼットに入ったまますっと過ごしています。
昨年の出番は1回か2回ほど。今年はついに1度も出番はありませんでした。
何もせずにただクローゼットの中にいるだけ・・
ある日、出番がやってきた
私はどこかに連れていかれました。袖を通されるのではなく袋に入れられて。
新しい場所は違う人のクローゼットです。
どうやら持ち主が変わったようで、私は新しい人に着てもらうことになりました。
その人も私のことを気に入ってくれているようで、また私は袖を通されていろいろなところに行くようになりました。
役目を果たす
ちょっとメルヘンのようなホラーのようなお話になってしまいました。
追い出し部屋の社員にしても、着られなくなったワンピースにしても、新しい場所に行くほうが幸せだと思うのです。
追い出し部屋の社員も新しい場所でまた活躍できるかもしれませんし、ワンピースもそうです。
モノを擬人化してしまうと余計捨てにくくなりそうですが、しまい込むことが優しさではありません。
自分がもしもモノだったらと考えるとよくわかりますよね。(ここはあまり偏った解釈にならないように注意してほしいところですが)
役目を果たすことが大切です。リサイクルという方法もあります。
衣類なら素材として生まれ変わることもできます。
モノを積極的に循環させる、活かす、これが大切です。
この記事を書いたのは・・
札幌 整理収納アドバイザー渡部夏代
子どもの頃から片づけが好きでした。
自分の部屋の模様替えを何度も行った子ども時代を過ごしました。
大人になって家庭を持つようになってからも片づけ好きは変わらず。
子育てしながら、だんだんと増えていくモノとどう向き合っていくか試行錯誤を繰り返しました。
整理収納アドバイザーという資格があることを知り、「まさに自分のためにある資格だ!」と飛びついて資格を取得し、現在に至ります。