そのハガキ捨てちゃダメ!所得税が戻ってくる年末調整に必要です
- 産前産後や子育て世代が後回しにしがちなお金の知識、医療費控除や保険の見直し、ふるさと納税やNISAなどを丁寧に解説!一児のママFP目線で固定費を節約し、教育費や老後の生活費に困らない家計を実現! もっと見る>>
FP2級と整理収納アドバイザー2級の資格を持つ1児のママ、かずえです。今回は年末調整って何のためにするのか?を解説し、重い腰を上げる助けになれたら嬉しいです。
そもそも“年末調整”って何なの?
毎年11月のこの時期にやってくる年末調整。そもそもこの面倒な作業はなぜしなきゃいけないの?と感じる方もいるでしょう。
年末調整とは、会社員や公務員の方が給与等から天引きされている所得税(これを源泉徴収という)を精算するための制度です。天引き額は暫定なので、年末に会社へ申告して所得税の額を正しく計算しなおしてもらいます。暫定で納めていた所得税が、計算した結果実際の額より多かった場合、その分が年末から年明けの給与で還付されます。
所得税や住民税の額を決めるのは“課税所得”
なぜ年末調整をするのか掘り下げるために、税額を決める仕組みを簡単に解説します。年間の総支給額が“年収(収入)”です。そこから経費となる給与所得控除(決められた額)を引くと“所得”。そこから所得控除(生命保険料控除など)を引くと“課税所得”になります。
式にすると…収入-経費(給与所得控除)=所得、所得-所得控除=課税所得
“課税所得”を基にして税額が計算されます。給与所得控除は一定額なので、つまり所得控除に該当するものを増やせば所得税や住民税が減る、ということですね。
節税に繋がる、このハガキは捨てないで!
所得控除は現在15種類ありますが、10月ごろからハガキで届き始めるのが『小規模企業共済等掛金払込証明書』と『生命保険料控除証明書』です。前者はiDeCoの加入者に届き、掛金の全額が控除されます。後者は民間の生命保険会社で保険に加入している方に届き、所得税なら最大12万円が控除されます。
これらのハガキは捨てずにとっておいて、年末調整の際に会社に提出する必要があります。所得控除をうまく活用すれば年末に還付される所得税の額も増えますし、翌年6月からの住民税にも影響します。
年末調整で所得控除を活用しよう
上記以外では、家族の国民健康保険料や国民年金保険料を負担していれば、それも社会保険料控除として対象になります。また“所得控除”とは別に、所得税を減らすことのできる“税額控除”として住宅ローン控除があります。こちらは2年目から年末調整が可能です。家計を圧迫する値上げが続く中、該当する所得控除・税額控除があれば漏れなく申告して節税に繋げたいですね。
・記事を書いたのは・・・かずえ
1歳の娘のママ。整理収納アドバイザーとFP資格を活かして、家の中も家計も、無駄をなくしてスッキリ整える暮らしを実践中。