煮込み料理は「鍋帽子」におまかせ!大正時代にルーツがある「ほったらかし」調理グッズとは?

2025/02/11
  • 元客船乗組員。夫は現役船員のため、年の2/3は完全ワンオペ育児中。乗組員時代の狭小船室生活と10年間のワンオペで学んだ、1人でも無理なくまわせるシンプルなモノの持ち方、暮らし方を発信中。もっと見る>>

こんにちは。クルーズ船乗組員時代の狭小船室生活を経て、シンプルな暮らしを実践中のサンキュ!STYLEライター・Kota(コタ)です。

寒い季節は、身体が温まる煮込み料理の登場回数が増えますよね。時間のかかる煮込み料理で、わたしが頼りにしているのが、保温調理ができる「鍋帽子」※(鍋帽子は、公益財団法人全国友の会振興財団の登録商標です)。 

各メーカーから「ほったらかし」で調理できる自動調理鍋や電気圧力鍋など、ハイテクなキッチン家電が続々と登場するなか、レトロなたたずまいがひときわ印象的です。それもそのはず、鍋帽子の原型が生まれたのは、なんと今から100年以上も前...!

今回は、鍋帽子愛用歴10年を超えるわたしが、その魅力をたっぷりご紹介します。

鍋帽子って何?

鍋帽子は、短時間加熱した鍋にかぶせて使う保温調理グッズです。余熱を活かした保温調理で、煮る・蒸す・ゆでるなどが得意分野。

料理によって所要時間は変わりますが、5~15分ほど煮た後、鍋帽子をかぶせて30~60分おくだけで完成するものがほとんど。例えば、豚汁なら沸騰後5分煮てから30分保温。クリームシチューは9分煮た後、30分保温というぐあいです。

そんな鍋帽子の原型、「火なしこんろ」が提案されたのは大正5年。当時の婦人向け雑誌で「保温調理している間に他の家事ができる」と紹介されたのだそう。まさに、ほったらかし調理家電のパイオニア的存在ですよね。

豚汁は5分煮て30分保温すれば食べごろに
お米は5分加熱して20分保温するだけで、ふっくらツヤツヤの仕上がり

鍋帽子の推しポイント4つ

1.保温中はほったらかしでOK

火からおろして鍋帽子をかぶせたら、後はおまかせで大丈夫。火加減や煮込み時間を気にする必要がないので、とっても気楽です。鍋帽子で調理している間、空いたコンロを別の料理に使えて、調理効率がアップするのもうれしいポイント。

もちろん、キッチンを離れてほかの家事をしたり、外出したりしても。出かける予定があるときは、出発前に仕込んでおけば、帰って来たらすぐ食事が始められて助かります。

2.ガス・電気の使用量を減らせて、家計に優しい

コンロと換気扇を使う時間が短くなるので、ガス代と電気代の節約にも効果的。自動調理鍋や電気圧力鍋と違って、電気を全く使わないのが鍋帽子の大きなメリットです。火にかける時間短縮の割合は、煮込み料理が½~¼、汁物が⅓~⅙という実験結果も。

さまざまなものの値上がりが続く今、こうした日々の小さな節約が「チリツモ」で効いてくるはず。

3.おいしく仕上がる

ゆっくり時間をかけて味がしみこんでいく保温調理。沸騰し続けないのでうまみと香りが逃げず、煮物はほっこりやわらかい仕上がりに。栄養分が損なわれないのもポイントです。

火にかけ続けた場合と比べて、特に違いが分かりやすいと感じるのが肉料理。チキンのトマト煮込みなど、お肉が主役の料理は、肉汁が内部にしっかりとどまって、しっとりジューシーな仕上がりが叶います。

4.手持ちの鍋をそのまま使える

新たな鍋を買う必要がなく、ふだん使っている鍋にかぶせるだけなのも◎。

「全国友の会」で企画・販売されている鍋帽子は、27cmの両手鍋まで対応しているので、ほとんどの鍋がすっぽり収まります。お値段も税込み3,500円で、保温調理用の鍋を買うよりずっとお手頃。

直径約30cm(取っ手含む)のルクルーゼの両手鍋も大丈夫

唯一のデメリットはこうして解消!

良いことずくめの鍋帽子ですが、難点を挙げるとすれば、存在感のあるサイズ。大きめの鍋がすっぽり入るサイズかつ、コンパクトにたたむこともできないので、相応の収納スペースが必要です。

わが家は、キッチン収納の最上段を鍋帽子専用にすることで解決。ここなら、ほかのものを取り出すときに邪魔にならず、軽量で万が一落ちてもケガの心配がない点も安心です。

さいごに

結婚して実家を出るときに、母が持たせてくれた鍋帽子。当時は正直、「場所を取るうえに、レトロな見た目がいまいち…」と思っていましたが、娘たちが生まれてからはキッチンに欠かせないアイテムに。

わが家は、船員の夫が丸々4ヶ月家を空けるような働き方で、3歳差の娘2人を完全ワンオペで育てる生活が10年以上続きました。そんななか、食事づくりを強力にサポートしてくれたのが鍋帽子。娘たちのお世話をしたり、公園に連れて行ったりしている間に、ポタージュや煮物など小さな子どもも食べやすい料理ができあがるので、本当に助けられました。

そんな思い出も詰まった鍋帽子は、今もなお現役で活躍中です。

◆記事を書いたのは・・・Kota(コタ)。
小2と小5の姉妹の母。元クルーズ船乗組員で、狭小船室生活+約4ヶ月の乗船勤務時の荷物は、60Lスーツケース1つぶん。

厳選したもので暮らした当時の経験と、10年以上の完全ワンオペ生活から、「ワンオペでも無理なくまわせるシンプルライフ」をモットーに、暮らしをちょっと良くするための試行錯誤を発信しています。

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