【税理士が解説】確定申告で還付が受けられる税金<ふるさと納税>
税理士、ファイナンシャル・プランナーの高田文乃です。
みなさんの中にはふるさと納税を活用されている方も多いのではないのでしょうか。
ふるさと納税を行い、所得税・住民税から控除を受けるためには、原則として確定申告を行う必要があります。
今回はふるさと納税のしくみについて解説します。
確定申告とは
確定申告は、個人の1年間の所得の金額とそれに対する税金を計算して税務署に対して申告を行い、納付または還付を受ける手続きのことをいいます。
通常、毎年2月16日から3月15日までの間に前年分の申告を行います。
直接税務署に提出に行くことも出来ますが、スマホやパソコンを使った電子申告が便利です。
ふるさと納税とは
ふるさと納税制度は、生まれ育ったふるさとや、自分の意思で応援したい自治体を選び寄付することができる制度です。自分の生まれ故郷に限らず、どの自治体にでもふるさと納税を行うことができます。
本来は自分が住む自治体に納税する税金を、選択した自治体に寄付することで寄付の使い道を選べたり、返礼品が届くというメリットがあります。
また、控除対象限度額の範囲内であれば、税金の還付・控除が受けられます。控除を受けるためには原則確定申告が必要ですが、申告をしなくても適用が受けられる「ワンストップ特例制度」もあります。
ふるさと納税の控除限度額
ふるさと納税の控除は所得税の所得控除と住民税の税額控除の両方から行われます。
①所得控除
1年間のふるさと納税額の合計額から 2,000円を差し引いた金額を所得控除のうち寄附金控除の欄に記載します。
*所得控除の対象となる寄附金の額は、総所得金額等の40%が上限です。
②個人住民税(基本分)
1年間のふるさと納税額の合計額から 2,000円を差し引いた金額×10%を税額控除
③個人住民税(特例分)
1年間のふるさと納税額の合計額から 2,000円を差し引いた金額× (100% - 10%(②の基本分)- ①の所得税率
*上記①および②により控除できなかった額を、③により全額控除(所得割額の20%を限度)します。
ワンストップ特例制度とは
会社員などで確定申告が不要な方は、ふるさと納税先が5団体以内の場合に限り、ふるさと納税先団体へ申請を行うことにより確定申告をしなくても、寄附金控除を受けることができます。
なお、5団体を超えてふるさと納税を行った方や、ふるさと納税の有無にかかわらず、確定申告をする方は、ふるさと納税の金額を寄附金控除額の計算に含めて確定申告をする必要があります。
また、ワンストップ特例を申請する場合は、ふるさと納税を行う際に、特例の申請書を納税先の自治体に提出しておく必要があります。
ワンストップ特例制度が適用される場合は、上記控除限度額の計算式にある①の所得税からの控除は行われず、全額が翌年度分の住民税から控除されます。
ワンストップ特例制度によりふるさと納税が簡便的に適用できる
ふるさと納税はメリットも多く利用されている方が多いと思います。
一方で適用を誤ると控除や還付が受けられない可能性も。正しく理解して上手に活用しましょう!
・記事を書いたのは・・・高田文乃(税理士/1級ファイナンシャル・プランニング技能士/宅地建物取引士)
10歳と3歳の娘と夫4人家族
*記事の内容は記載当時の情報です。