フリーランスが知っておきたい青色申告のメリットを税理士が解説

2024/04/27
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税理士・ファイナンシャルプランナーの高田文乃です。
フリーランスになると、事業のお金について毎年確定申告を行うことになります。
このとき青色申告を選択すると税制上のメリットを受けることが出来ます。

青色申告とは

フリーランスが行う確定申告には青色申告と白色申告の2つの方法があります。
青色申告は優遇措置がある申告方法ですが、その適用を受けるためには次のような条件があります。

青色申告承認申請書を提出する

青色申告を希望する場合は青色申告承認申請書を税務署に提出します。
開業時に申請をする場合、その開業が1月1日から1月15日の場合は3月15日までに、1月16日以降の場合は事業開始の日から2か月以内に提出する必要があります。
期日に間に合わないと、その年については白色申告となります。
白色申告をしている人が青色申告に変更を希望する場合は、変更したい年の3月15日までに提出が必要です。

帳簿の記入と書類の保存の要件を満たす

日々発生する取引についてお金の流れを記帳する必要があります。
また、青色申告に必要な書類は原則として7年間、一部の書類に限り5年間の保存義務があります。

青色申告決算書と確定申告書を提出する

青色申告決算書は確定申告期限までに提出する必要があります。

青色申告のメリット

青色申告特別控除が受けられる

記帳の仕方によって次のいずれかの特別控除を受けることができます。

10万円控除

・簡易な帳簿を作成すること
・確定申告時に損益計算書を作成して提出すること

55万円控除

・複式簿記で記帳した帳簿を作成すること
・確定申告時に貸借対照表及び損益計算書を作成して提出すること

65万円控除

55万円控除の条件に加えて次のどちらかを行う必要があります。
・確定申告書をe-taxによる電子申告で提出すること
・対象帳簿について電子帳簿保存法に基づく「優良な電子帳簿」で保存を行うこと

白色申告と青色申告の納税額の違いを具体例で解説

所得が200万円であった場合、白色申告と青色申告で特別控除65万円の適用を受けた場合の納税額を比べてみましょう。

白色申告の場合

2,000,000円×10%(税率)ー97,500円(控除額)=102,500円(納付税額)

青色申告特別控除65万円適用の場合

2,000,000円ー650,000円(青色申告特別控除額)×5%(税率)=67,500円(納税額)

納税額の違い

102,500円ー67,500円=35,000円
青色申告で65万円控除を適用した場合、3万5千円納める税金が減ります。

その他の青色申告の主なメリット

赤字を翌年以降3年間繰越すことができる

家族に支払った給与を経費にすることができる

貸倒損失の見込額を経費にすることができる

青色申告を選択するだけで節税に

青色申告には節税に繋がる特典が多くあります。
青色申告を行うためには帳簿付けが必要となりますが、白色申告であっても簡易記帳は必要です。
事業のお金はどちらにしてもきちんと管理しなければなりません。
最初は慣れないかもしれませんが、青色申告にぜひ取り組んでみてくださいね。

・記事を書いたのは・・・高田文乃(税理士/1級ファイナンシャル・プランニング技能士/宅地建物取引士)


*記事の内容は記載当時の情報です。

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