吊り下げタイプの防虫剤は蚊よけに不向き!適切な対策とは
こんにちは。サンキュ!STYLEライターのdanngoです。
100均などで売られている吊り下げタイプの防虫剤。
実はほとんどがユスリカなどの不快害虫対策のための商品で、蚊への効果はうたわれていないのを知っていますか?
その理由と、効果的な対策についてお伝えします。
効果がないわけではないが弱点も
100円ショップで見かける防虫剤の有効成分の多くは「トランスフルトリン」。
多くの昆虫に効くピレスロイド系の殺虫成分で、蚊にも一定の効果はありそうだと推測できます。
蚊への明確な効果をうたえないのは、医薬部外品ではないからでしょう。
デング熱などを媒介する蚊に効果があると宣伝するなら医薬部外品としての審査を受ける必要がありますが、時間も手間もかかります。
そこでユスリカやチョウバエなどの不快害虫対策商品として売られているというのが現状なのです。
また、トランスフルトリンは揮発性の高い物質で薬剤が広がりやすい反面、風が吹くと効果が失われやすくなるという弱点も。
蚊はほかの虫より殺虫剤にさらされることが多いためか、突然変異により薬剤への耐性を身につけた個体も登場していると聞きます。油断できませんね。
蚊よけしやすいのは古典的な方法
蚊を室内に入れないのに有効なのは、意外と古典的な方法。
網戸と蚊取り線香です。
細長い脚と体を持つ蚊は、一般的な網戸の網目を通り抜けることがほぼ不可能。
念のため、ほころびがないか確認しておきましょう。
蚊取り線香も効果があります。
ピレトリン(除虫菊の成分)やそれに似せて合成したピレスロイド系の成分を含むため、殺虫効果が。
蚊取り線香には、虫を近づけにくくする効果もあると考えられます。
というのも、蚊取り線香のない時代から「蚊遣火(かやりび)」といって火をたき、煙をだして蚊を追い払うことがよくおこなわれていたため。
煙が蚊に対して一定の効果があることは、古代から知られていたのです。
虫が煙を嫌うのは、おそらく山火事を避けるための本能ではないかと思われます。
スズメバチも木酢液(木を蒸し焼きにすると出るにおいのある液体)を嫌う性質があるらしいですよ。
煙は目に見えるので、風の流れや広がり具合を確認しやすいというメリットもあります。
ユスリカってどんな虫?
ここまで読んで、「ではユスリカは蚊とどう違うのか」という疑問を持った人もいることでしょう。
ユスリカと蚊は種類が近く見た目もよく似ていますが、最大の違いは吸血するかしないか。
繁殖のためにメスが吸血するのは、アカイエカやヒトスジシマカなど一般的に「蚊」と呼ばれる昆虫です。
ユスリカは成虫になると口が退化するため、吸血しないどころかいっさい飲まず食わずです。
まじまじとユスリカの成虫を見てみると、注射針のような口がついていないのが確認できますよ。
幼虫の姿としてよく知られているのが、アカムシ。アカムシユスリカの幼虫です。
釣りえさとして購入することができますね。
水中の有機物を食べるものが多く、川、池、沼、どぶなどに生息します。
成虫になると川のほとりなどにむらがって飛んでいることがありますが、これが蚊柱と呼ばれるもの。
オスが集まり、羽音でメスを呼び寄せているのです。
簡単に言えば、ユスリカの婚活パーティー。
見た目はうっとうしいですし、服などにつくと汚れてしまう可能性があるので、水場が近い家に住んでいるなら対策しておくにこしたことはありません。
ただし基本的には害のない昆虫なので、少し離れたところで蚊柱を見つけてもあわてず騒がず、おだやかに通りすぎるのが賢明と言えるでしょう。
◆記事を書いたのは・・・danngo
物心ついた時から生き物大好きだった40代主婦。美しく平和な地球と子どもの未来を守りたいと考えています。面倒くさがりのため、できるだけ手抜きしてズボラでもできるエコ活動を模索中。