レバーの栄養はどれも同じじゃない⁉目的別に選びたいレバーの種類とおすすめの食べ方
こんにちは。栄養素チェックが趣味になっている、サンキュ!STYLEライターのゆかりです。
鉄不足が気になるときに効果的な補給源となるの「レバー」。
じつは、レバーの種類によって栄養価が大きく違うのです!しかも、鉄以外にも栄養素が豊富に含まれているんですよ。
この記事では、管理栄養士である筆者が、目的別におすすめのレバーの種類についてご紹介します。
苦手という方にも食べやすい種類や下処理についても触れていますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
レバーの種類と特徴
おもに食べられているレバーには、牛、豚、鶏の3種類があります。
・牛レバーは、やわらかくてなめらかな食感と濃厚さが特徴。
・豚レバーは、弾力のある食感が特徴。
・鶏レバーは、きめ細かくしっとりとした食感で、一番臭みが少ないのが特徴。
(鶏レバーのみ、ハツが一緒にくっついている場合がある)
いずれも、血や脂の塊を洗い流すなどの下処理をすることで、おいしく調理しやすくなります。
臭みが気になる場合は、下処理のあとに牛乳に浸したり、香味野菜や香辛料を加えた調味料でに漬けこんで下味をつけておくことがおすすめですよ。
種類によってこんなにある栄養価の差
貧血予防なら……
鉄が一番多い「豚」。牛の3倍以上、鶏の1.5倍近く含まれています。
ただし、鉄以外に銅、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸も貧血予防に役立つ栄養素です。
銅、ビタミンB6ビタミンB12は「牛」、葉酸は「鶏」に一番多くなっています。
(ふだんの食事で不足が気になる栄養素で種類を選ぶといいかも)
肌荒れケアなら……
ビタミンB2、ナイアシンが一番多い「豚」。次いで、「牛」に多くなっています。
疲労回復なら……
ビタミンB1、パントテン酸が一番多い「鶏」。次いで、「豚」に多くなっています。
免疫力アップなら……
ビタミンA(※)、ビタミンDが一番多い「豚」。次いで、「鶏」に多くなっています。
ただし、ここで注意してほしいことがあります!
※……この記事内のビタミンAとは、すべて動物性食品に含まれているレチノールについて言及しています。
レバーは食べ過ぎに要注意!
こうやってみてみると、レバーには幅広く豊富に栄養素が含まれていることがわかります。
その反面、栄養素のとり過ぎにならないように気を付ける必要があるのです。
それは、ビタミンAの短期的なとり過ぎで、吐き気、頭痛、めまい、目のかすみなど、長期的なとり過ぎでは皮膚のはげ落ち、口唇炎、脱毛症、食欲不振、筋肉痛などといった過剰症が起こることがあるから。
ビタミンAを多く含む「豚」「鶏」の場合、1日にとっても安全な量に相当するのはどちらもレバーおよそ20g。(串焼き1本でオーバーする量)
そうすると、効果を期待できるほど多くとりにくいということに……
ただし、「牛」であれば含有量は1/10以下なので、1日に245gまで問題がないとされています。
また、レバーそのものではなく、食べやすく加工したレバーペーストにも注目!
レバーよりもビタミンAが少ないので、鉄分を積極的にとり入れたい場合はおすすめ。1日に62gまで食べてもOKです。
パンに塗ったり、ミートソースやカレーに加えるとコクが出て隠し味に使えますよ。
いずれであって、レバー以外の肉や魚などの食材にもビタミンAが含まれているので、それらも食べることを考えるともっと少なくするのが安心です。
もし、安全な量を超えてしまった場合は、翌日はビタミンAが多い食材を控えるようにして調整していきましょう。(ビタミンAは体に蓄えられるので、しばらく不足の心配はないといえます)
ぜひ、こういったことを参考に、レバーを上手にとり入れてみてくださいね。
★この記事を書いたのは・・・
管理栄養士&食生活アドバイザーのゆかり
小学生女児のママ。食べること・料理をすること・喋ることが好き。講師、食材記事の執筆・監修、食育サイトの栄養相談や献立作成などで活躍中。個人で食育イベントの実施や、YouTubeチャンネルを運営しています。