A子さんの苦悩
こんにちは。
札幌に住む整理収納アドバイザー渡部夏代です。
やりたくなる片づけ。
毎日の片づけを楽しく続けるためにできることをいつも考えております。
片付けアルアルをショートストーリー風にしてみました。
「A子@絶賛片付け中☆」
SNS映えする、テイストが統一されていて、生活感もなく、モノも少ないお部屋。
そういうお部屋にしたくて片付けをがんばっていまーす!
そのためにはもっとたくさん捨てなくちゃ!
でも・・そうは言ってもコレは高かったし・・コレはいざという時に必要になるかもしれないし・・
そうだ!「たくさん収納できる話題のおしゃれなチェスト」を買えばいいんだ。
腰くらいまでの高さで使いやすそうだし。すぐにネットでポチって届きました。
さっそく部屋に散らかっているモノを詰め込んでいこう!
・・あれ?あっという間に満杯になっちゃった。これ以上しまえない。
ふと、部屋を見渡すと、新しいチェストが増えたせいで部屋が狭苦しくなっているなぁ。まぁ仕方ないか。
使い始めて数日後。えーと、あれはどこにしまったかな?こっちの棚だったかな?それとも新しいチェストの中にしまったかな?ごそごそと探しまわり・・。
さらに数日後、チェストの上にはいろんなモノが置きっぱなし。
いやーん、SNS映えする部屋にしたくて買ったチェストなのに、かえってごちゃごちゃに!
A子さんの落とし穴
A子さんはがんばっているのになかなかうまくいきません。
なぜでしょう?
いつも片付けの情報にアンテナを張っているみなさんにはすぐにわかることと思います。
その1 SNSの画像に踊らされている
インスタやブログに出てくるお部屋の画像はとても素敵です。
それを理想とするのは良いですが、見よう見まねでやってもうまくいかないことが多いです。
自分の生活スタイルに合っていなければ、使いにくく、結局持続できないからです。
その2 「捨てる」に関して矛盾がある
A子さんは「捨てなくちゃ!」と思っていますが、ただ単に捨てればいいわけではないことを知る必要があります。
そして、「捨てよう」と思っているにも関わらず、ひとつひとつのモノを目の前にすると、なんやかんや言い訳をして結局「捨てる」に至っていません。
「捨てる」の一択しかしていないのに、「捨てる」をしなければ、整理をしていないのと同じです。
単純に捨てる・捨てないを決めるのではなく、まず、自分にとってどういうモノなのかを知ることが大切。
その3 収納用品を買えば解決できると思っている
A子さんは、悩むのに疲れて、収納用品を買うことに思考をシフトしています。
そして「話題のおしゃれなチェスト」というだけで決めてます。それが自分の暮らしに合っているかどうかを深く考えていません。
また「たくさん収納できる」というふれこみにも惹かれています。「大容量=自分にとって良い収納」とは限りません。収納したいモノに合っているかどうかは別問題。
収納用品を買えば全てうまくいくという妄想に陥っています。これは非常に危険です。
その4 整理できていない状態で収納している
しかも、A子さんは散らかっているモノから詰め込んでいます。
モノの分類をしないでやみくもに収納すると、そのあと探しモノが起こりやすいです。
また、腰くらいの高さのチェストの上にはモノが置きやすいです。定位置が決まっていないとモノをとりあえず置きをしやすくなります。
片付けは「収納」だけではうまくいきません!
「捨てる」作業は悩みやすいので、気が重くなることが多いです。
それを避けて「収納用品を買う」に意識を向けたくなります。
「買う」という行為は楽しくて心が躍りやすいので、はやくそっちに行きたいのです。
しかも世の中には、たくさんの収納家具や収納グッズが販売されています。
売り方の手法としては「この収納用品があれば部屋が片付く!」と宣伝します。
メーカー側はたくさん売りたいので、それは当然の宣伝方法です。さらにSNSがそれを後押しします。
消費者側は、単純に踊らされないように注意しなければなりません。
メーカーが悪いとか収納用品が悪いとかSNSが悪いというのではなく、自分に合っているかどうかを知って、確実に選ぶ目を持つことが大切。
自分に合った「収納」を知るには、まずモノの「整理」をしっかり行うことが重要です。そして整理とは単純に捨てれば良いということではありません。
自分の周りにA子さんのような人がいたら?あるいは自分がA子さんと同じだったら?
あたなならどうしますか?
この記事を書いたのは・・
整理収納アドバイザー2級認定講師、企業内整理収納マネージャー講座認定講師、ファイリングアドバイザー認定講師。
小さなころから好きだった片付けが仕事になりました。
ご家庭の整理収納サービスの他、オフィスや店舗、倉庫などの5S活動も行っております。