片付けにも通じる「石のスープ」のお話

2022/11/25
  • 整理収納アドバイザー。ご家庭と企業の整理収納と資格講座の認定講師をしております。書類整理も得意です。もっと見る>>

「石のスープ」という昔話をご存じでしょうか?
子どもの頃に読んだ絵本です。
たまに思い出しては、片付けにも通じるお話だなと思っています。

石のスープはこんなお話

いろいろな展開があるようですが、私が読んだのは、旅人とおばあさんが登場人物でした。
旅人が食事を求めておばあさんの家に行くのですが断られてしまいます。
そこで、石ころを持ってきて「煮るとスープができる不思議な石があるので、鍋を貸してください」と言います。

興味を持ったおばあさんは、旅人に水を入れた鍋を貸します。
石を煮込みながら旅人は「塩があればもっと美味しいスープができるのだがなぁ」とつぶやきます。
おばあさんは興味があるので、塩を持ってきます。

さらに旅人は煮込みながら「野菜があれば・・」「肉があれば・・」と言って、おばあさんに野菜や肉を差し出させます。
そして、ついに「女王陛下に出しても恥ずかしくないスープ」が出来上がり、2人で美味しく食卓を囲むというお話です。

不思議な石は、ただの石

旅人の石は、実はなんでもないただの石です。
おばあさんの興味を利用して、材料を提供させ、最終的に美味しいスープが完成したのです。
事実関係だけを見ると、旅人はまんまとおばあさんを騙しているようにも思える展開です。
でも、果たしてこれは「騙し」でしょうか?

おばあさんは興味を持ち、結果的に満足している

最初は旅人を拒絶していたおばあさんでしたが、旅人の石に興味を持ち、自分の意志で材料を提供していきます。
そして、最後は「女王陛下に出しても恥ずかしくないスープ」を食べることができます。これは紛れもなく幸せな状態です。
もし後で、その石がなんでもないただの石だと知っても怒りはしないと思います。

頑なだったおばあさんが材料を提供した理由

それは、旅人が興味を持つ対話を展開したからにほかなりません。
「対話」というのは、向き合ってじっくりと話すこと。「会話」よりも相互理解の目的が強いと言えます。
旅人は、おばあさんと「対話」をしながら、美味しい食事という目的に向かったということです。

片付けにも通じる

片づけの時、「捨てたくない夫」と「捨てたい妻」、あるいは「散らかっていても平気な妻」と「散らかりが嫌な夫」など考え方が違うことも多いです。
片付けに対して意見が分かれる時は「対話」を重ねることが一番の近道。
どちらかが、この物語の旅人のように「対話」をリードしていくと良いと思います。
話が建設的に進めば、野菜が出てきたり肉が出てきたように、片付けの新しいアイディアや取り組みが出てきそうです。

はた目から見たら、どちらかがどちらかを手のひらで転がしているように見える展開かもしれません。
しかし、当事者同士が満足して幸せな状態であればなんの問題もなく、無事に片付けが成功したと言えるのではないかと思います。

この記事を書いたのは・・

整理収納アドバイザー2級認定講師、企業内整理収納マネージャー講座認定講師、ファイリングアドバイザー認定講師。
小さなころから好きだった片付けが仕事になりました。
ご家庭の整理収納サービスの他、オフィスや店舗、倉庫などの5S活動も行っております。

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