マイルストーンを設けて、片付けをスムーズに進める
家の中を片付けようと思って始めたら、予定しているよりかなり時間がかかってしまったということがあります。
どうして予定通りに進まないのかを考えてみます。
そして、マイルストーンを設けてスムーズに進める方法をご紹介します。
自分の意志の弱さだけではない
「自分の意志が弱いからだ」と言ってしまえばそれまでなのですが、それでは不毛です。
いつでも強い意志を持ち続けるのはしんどいです。
また、予期せぬイレギュラーな事態が起こることもあります。
そんな毎日の繰り返しで気が付いたら、やろうと思っていたことが思うように進まないことはよくあることです。
自分のせいだとか、自分の意志が弱いからだと、自分を責めても何も良いことはありません。
時間は思っているよりかかることが多い
片づけをする時、例えばキッチンの場合どれくらいの時間がかかるでしょうか?
半日?1日くらい?「今日はキッチン」のように1日単位で見積もる場合が多いのではないでしょうか。
それでは、さらにキッチンにある「食器棚」をやろうと思ったらどれくらいかかるか?
・食器棚の食器を全部出す
・必要な食器と不要な食器に分ける
・ついでに食器棚の中を綺麗に拭く
・シートを使っていて取り替えるなら新しいのを敷く
・よく使う食器をどこに収納するか決める
・あまり使わない食器をどこに収納するか決める
・カゴやトレイなどの収納グッズを使うなら、それぞれ収める
・必要に応じてラベルを貼る
食器棚だけでも基本的なタスクはこんなにあります。
量や判断のスピードで差はありますが、30分では終わらない場合が多いです。多ければ2~3時間かかってしまうかもしれません。
さらにキッチンは食器だけではありません。調理道具、鍋、キッチン家電、容器類、ペーパーやビニール袋などの雑貨類、洗剤類、食品類、冷蔵庫・・
多岐に渡るアイテムがあり、それらが混在している場合が多いです。
それらを、全部出して、分けて、ふさわしい定位置を決めて・・となると、どれくらい時間がかかるか?
場合によっては、丸1日かけても終わらないことがあります。
マイルストーンを設けよう
どれくらい時間がかかるかを考える時は「半日」「1日」などのおおまかな区切りより、「30分」「1時間」などのように細かく区切ると良いです。
理由は、すぐ目の前にある締め切りのほうが行動しやすくなるからです。
マイルストーンとは、マイル(mile=距離)ストーン(stone=石)を組み合わせたビジネス用語です。
ローマ時代に1000歩(1マイル)ごとの標識として石を設置したことからできた言葉で、工程の区切りや到達点、つまり中間目標点を表します。
「1日でキッチンを片付ける」という全体の目標に対して、「最初の1時間で台所にあるものを全部出す」「次の1時間で要不要に分ける」など中間の目標を設ける使い方をします。
中間目標を定めることによって、順調か遅れがちかを把握することもできます。
もしも最初の1時間で全部出すことができなかったら、見積もりの時間が甘かったということがわかります。
最終的に何時に終わらせたいかを逆算して予定の修正も行えます。時には引き返す決断をすることも必要です。
そうすると、日が暮れたのにカオス状態のままで夕食の支度ができないといった悲惨な状況を避けることができます。
最初は簡単そうなところから
キッチン全体の片付けは難易度が高めなので、マイルストーンを設ける練習は簡単なところから行うと良いです。
例えば、キッチンの中でも冷蔵庫だけを行うとか、他の場所なら靴箱、テレビ台の収納など。
その収納だけでまとまっており、他の収納と絡まない場所がおすすめです。
小さな範囲を行う時は、10分とか15分など分単位でマイルストーンを設けると良いです。
この記事を書いたのは・・
渡部夏代(わたなべなつよ)
整理収納アドバイザー2級認定講師、企業内整理収納マネージャー講座認定講師、ファイリングアドバイザー認定講師。
小さなころから好きだった片付けが仕事になりました。
ご家庭の整理収納サービスの他、オフィスや店舗、倉庫などの5S活動も行っております。