【年末調整】今知りたい!税と社会保険の話(その5)親を扶養に入れる場合

2021/11/27
  • 年間200万円貯蓄を10年以上継続した、FP2級の社労士です。スイーツ大好きな2児のママ。 もっと見る>>

こんにちは。サンキュ!STYLEライターで社会保険労務士のはらともです。

以前に書いた「【年末調整】今知りたい、税と社会保険の話(その1)税金の扶養と健康保険の扶養は似ているけど違うの?」を読んでくださって、今回もこちらのページをみて下さった方、ありがとうございます。もし、まだ読んでいない方は(その1)に目を通してから、こちらを読んでいただけると幸いです。

さて、今回は、親を扶養に入れる場合の税と社会保険について事例として、
父が亡くなり、母(同居・実母)を扶養に入れるケースをご紹介します。

健康保険は年齢によって被扶養者の収入要件が変わる(60歳未満か?60歳以上か?)

健康保険の扶養に入れる場合、被扶養者となる方の年齢により、収入要件が異なります。

被扶養者の方が60歳未満であれば、年収は130万円未満が収入要件です。
被扶養者の方が60歳以上又は障がい者の場合は、年収は180万円未満が収入要件となります。

そして、忘れがちですが、本人の収入の半分未満であることも条件となります。

遺族年金は非課税だが、健康保険の被扶養者の収入判断に含める

母を扶養に入れるケースで、もれやすいのが、遺族年金の受給についてです。遺族年金は、非課税ですので、所得証明書には出てこない収入です。

そのため、母親だけを扶養に入れたいという場合に、遺族年金について問い合わせると、遺族年金も受給されていて、自分の老齢基礎年金と遺族年金の合計で130万円ないし180万円を超えているため、健康保険は扶養に入れることができないケースがあります。

健康保険は扶養に入れないけれども、税法上は控除対象扶養親族に該当する場合もある。

健康保険の収入要件に入れる収入には、非課税所得も含まれるため、健康保険の扶養ではないけれども、税法上は控除対象扶養親族に該当するケースも多くあります。

老齢年金は雑所得となりますが、公的年金控除額と基礎控除の額の関係で、以下の通り老齢年金から源泉徴収されません。
・65歳未満・・・・・老齢年金のみで108万円未満なら源泉徴収なし
・65歳以上・・・・・老齢年金のみで158万円未満なら源泉徴収なし

もしも、前年以前が税法上の扶養だったと気づいたら

所得税については、5年前までは遡って還付請求ができます。対象となる方が70歳以上で同居(直系尊属)の場合、「同居老親」扱いとなり、58万円の扶養控除を受けられる可能性もあります。詳細については、税務署に確認してください。確定申告の時期(2月16日から3月15日)は、税務署が込み合いますので、その時期を避けてご相談してみて下さい。

記事を書いたのは・・・・・・はらとも
元銀行員&FP2級で、貯蓄が得意です。面倒くさくて家計簿はつけていませんが、そんな私の貯蓄術も少しずつ紹介していきたいと思います。

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