【介護】有名俳優が公表!「前頭側頭型認知症」とは?

2023/02/18
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介護士で整理収納アドバイザーのおだけみよです。

先日、俳優のブルース・ウィリスさんの家族が認知症であると公表して話題になりました。
「認知症=アルツハイマー」と思われている中で、「前頭側頭型認知症」という聞きなれない認知症。
4大認知症の1つですが、前頭側頭型認知症の割合は全体の1%と言われており、ごくわずか。
ニュースで初めて名前を聞いたとう人も多いのではないでしょか?

今回はこの前頭側頭型認知症について紹介します。

前頭側頭型(ぜんとうそくとうがた)認知症の特徴

認知症は「脳の病気」で、脳に異常が起こることによって発症します。
「認知症」というと一括りに思われがちですが、異常が起こる部分により、その発症原因や症状はさまざまです。

前頭側頭型(ぜんとうそくとうがた)認知症で異常が起こる部位

名前の通り、脳の前頭葉と側頭葉に異常が起こります。
人格を司る前頭葉(ぜんとうよう)と、言語を司る側頭葉(そくとうよう)が萎縮します。

前頭葉が委縮すると起こる症状

人格を司る部位が委縮すると、感情の起伏や共感力が低下していきます。
具体的には周囲への愛情や理性が低下するので、相手の気持ちを考えることが困難になり、自分本位の行動が目立ってきます。

・身だしなみに気を使わなくなる
・病気の家族への気遣いがなくなる
・反社会的な行動をしてしまう

つい万引きしてしまうのも前頭葉の委縮によっておこる行動です。
こまでいかなくとも、鼻歌を歌いだしたり、突然部屋を出て行ってしまったりするなど、自分本位の行動が目立つようになります。
ほかに、同じ動作を繰り返す「常同行動」といった症状もあります。

側頭葉(そくとうよう)が萎縮すると起こる症状

言葉を司る部位が委縮すると、言葉への理解や聴覚・味覚が低下します。

・言葉が出にくくなる
・言われていることが理解しにくくなる
・食の好みが変わるなどの症状が現れます。

側頭葉が委縮することで、失語症が現れます。

発症年齢

発症年齢は65歳未満の若年層に多いのが特徴です。
平均発症年齢は55歳くらいで、若年性認知症の原因としてはアルツハイマー型に続いて2番目に多いという報告もあります。

治療方法は?

アルツハイマーと違い、進行を遅らせる治療薬はありません。
対症療法でも科学的効果が認められている薬は少なく、唯一、心療内科の治療に用いられる薬に常同行動に対する効果が認められているだけです。
治療方法がほとんどなく、唯一難病に指定されている認知症です。

診断は?

コミュニケーションに障害が生じ、繰り返し行動なども見られるので、いわゆる発達障害と間違えられるケースがあります。
アルツハイマーのような記憶障害がなく、本人はしっかりしているので認知症と気づきにくい場合があります。
その為、診断が遅れることもあるようです。

異変を感じたら…

「おかしい」と思っても、なかなか相談する相手がいないことが多いですよね。
つい、介護職や看護師などをしている友人知人に聞きたくなりますが、認知症は早期発見が重要です。
異変を感じたら、専門医やかかりつけのクリニックなどで相談しましょう。

この記事を書いたのは…おだけみよ
整理収納アドバイザー/介護士
介護士として認知症高齢者が共同生活を送る介護施設スタッフとして働きながら、
整理収納アドバイザーとして、暮らし全般に関するアイデアを発信中。

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