「3℃」「7℃」「8℃」3つの気温をチェックして、秋を快適に!

2022/10/30
  • 日本の四季を五感で愉しみ、防災情報も発信する現役気象キャスター もっと見る>>

サンキュ!STYLEライターで気象予報士・防災士の資格をもつ、坐間妙子です。


10月も残すところあとわずか。
朝晩はすっかり寒くなりましたね。
今年5月に長女を出産し初めての秋を迎えているわたしは、娘の服装に困っています。

気温の変化が大きいので、日々の天気予報の中でも気温が気になるきょうこの頃。
その際に「チェックするとちょっと生活に役に立つ!」という3つの気温の目安を、今回はご紹介します!

1.寒暖差疲労を引き起こす、1日の中の気温差

「寒暖差疲労」という言葉をよく聞くようになりました。
漢字のまま、寒さ、暖かさの差が大きいことで疲れが出ることです。
身体に短時間で寒暖差が生じることで起こることで、自律神経が過剰に反応し、倦怠感や肩こり、頭痛、めまい、不眠などの症状が出やすくなります。

気温の差の中でも注意したいことが
・前日との日中の気温の差
・朝晩と日中の気温の差
の2つです。

この数字が「7℃」以上あると、寒暖差疲労が起きやすいと言われています。

これは、きのうまでの一週間の前橋の気温変化です。
23日(日)から24日(月)にかけては最高気温が8.8℃
26日(水)は最低気温と最高気温の差が13.3℃もありました。
内陸は、朝晩と日中の気温の差(日較差)が大きくなりやすいのですが、季節の変わり目はそれが顕著になりやすいのです。

寒暖差は身体を疲れさせます。
普段から規則正しい生活や適度な運動ができていればいいのですが、そうもいかない方も多いはず。

そんな方は、天気予報で気温の差が大きくなることを知ったら
・冷暖房を適切に使用する
・服装や布団で調節する
・食事に暖かいもの、冷たいものをうまく取り入れる
などをして、身体が気温の差にびっくりしないようにしてあげるといいですよ!

2.木々の色づきを深める気温

写真は、先週金沢で撮影したものです。
金沢は、10月に入って冷え込み、平年より少し早く紅葉が始まっています。
みなさんの地域はいかがですか?

木々の葉が赤くなるのは、葉の中の赤い色素、アントシアニンという成分が秋になると増えるためです。
夜に冷え込むと、このアントシアニンが葉の中に留まり、赤が深まると言われています。

それでは、どのくらい冷え込むといいのか?
一般的に最低気温「8℃」を下回ると紅葉が始まると言われています。
気温だけではなく、日照時間や雨による水分量なども関係してきますが、気温は紅葉に大きな影響があるのです。
西日本はまだ10℃を下回らないところが多く、東京も8.5℃が今季最も低い気温(10月30日現在)なので平野部の紅葉はもう少し先になりそうですが、最低気温が「8℃」を下回るのを見たら、木々も色づき始めるかな、と思い出してみてください!

3.路面が凍結する気温

一方で、山沿いや北陸、北日本ではすでに紅葉が見ごろを迎えているところもあります。
紅葉が見ごろを迎える=最低気温が低い
ということです。

平野部より一足早く紅葉が見頃を迎えている標高の高いところへ出かける方もいるかと思いますが、人混みを避けて朝早くに出かけようとしている方は、路面の凍結に要注意です。
雪がなくても、水分があれば路面は凍結します。
凍結する気温の目安は「3℃」。
水が氷になるのは0℃ですが、気温は1.5mの高さで測っているので、地面はもう少し温度が低くなっているからです。

こちらは、栃木県・奥日光のきのうまでの1週間の最低気温。
0℃前後の日が続いています。
中禅寺湖にいろは坂、竜頭の滝など紅葉が見ごろを迎えていますが、朝晩に車で出かける方は要注意です。

近場でお出かけを考えていても、平野部と山間部は気温が全然違います。
秋の行楽シーズン、気温のチェックをしっかりして、安全におでかけくださいね!

おしまいに

「3℃」「7℃」「8℃」から分かる気温の知恵をご紹介しました。

あくまで目安なので「この気温になると絶対!」ではありません。
ただ、目安を持っていると、普段見ている天気予報の気温の欄をみたときに、ちょっと気を付けられるかと思います。
気象庁の11月〜1月の3ヶ月予報を見ると、この冬は北日本は平年並み、東日本と西日本は平年よりも寒くなる予想です。
寒さへの備えは早めに行いましょうね!


この記事を書いたのは・・・坐間妙子
気象予報士と防災士の資格を持つフリーアナウンサー
ママ1年生として子育てと仕事に奮闘中!
四季を楽しみながら防災やSDGsについて発信しています

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