みんな大好き「揚げ物」の裏側!手作り・お惣菜・外食で知っててほしい、油のこと

2022/11/16
  • 食品メーカーで営業をしている2児の母。食べるも作るも大好きですが、外食やスーパーの裏側を知るからこその、ちょっと変わった料理マニアです。 もっと見る>>

から揚げ、とんかつ、エビフライ。サクサクの衣に包まれたジューシーなお肉やお魚、野菜たちは、おとなもこどもも大好きなメニュー。
そんな揚げ物たち、ハイカロリーであることは言わずと知れていますが、その「油」について、考えたことはありますか?
近年は、さまざまなオイルがブームということもあり、「からだにいい油」もあることは知っている人も多いはず。
けれど、揚げ油には、流行りのオメガ3系などの美容や健康に良い油ではなく、酸化しにくい菜種油などが適しており、よく使われます。

それってからだに良いの?悪いの?どんな影響があるの?家で揚げ物はめんどくさいけど、買っちゃダメなの?
食品メーカーで勤めた筆者が、家庭で揚げ物をする場合の注意点や、スーパーや外食での”見えない油”についてを、ご紹介します。

「油の酸化」について

油は「酸化」します。
「酸化」とは、空気中の酸素と油が結合することで起こる現象です。
料理に使う揚げ物油は、高熱で熱したり時間が経つことで油が酸化・劣化します。
では、酸化した油を使うと、からだにどんな影響があるのでしょうか。
・肝臓への負担
・酸化コレステロールの悪影響
・体内に蓄積すると、認知症の危険性
・下痢・嘔吐・頭痛・腹痛などの原因

お惣菜、外食。それぞれの揚げ物はどう作られる?

では、家庭とは違い、揚げている瞬間が見えないスーパーや外食店では、どんな状況なのでしょうか。
多くの店では、揚げ油は2種類を使い分けています。天ぷら用と、それ以外です。(天ぷらは、綺麗な油で揚げないといけない、かつ、汚れにくいため)
家庭よりかなり容量の大きい、フライヤーという機械があり、温度調節や一定の温度で保つことが可能です。

スーパーのお惣菜は、売り場を見ればわかるように、ものすごい量の揚げ物を揚げます。もちろん酸化しやすいですし、いろんな揚げ物から出たタンパク質などの汚れで、色が黒ずんで劣化します。
外食店は、営業時間のオーダーが入る間は、フライヤーはつけっぱなし。
やはりどちらも、家庭の揚げ物より、長時間・大量に使用するので、油の劣化は避けられません。

では、その揚げ物は危険なのでしょうか?
一概にそうではないんです。それは、多くの店では、油の酸化を調べるチェッカーで定期的に検査し、決められた基準を守ってこまめに油を交換しているからです。
これは、家庭とは違い基準がある分、少し安心と言えるかもしれません。

家庭で揚げるときの注意点は?

では、家で手作りするときのポイントをいくつか紹介します。
●酸化しにくい、揚げ物に適した油とは?
 →菜種油、キャノーラ油、米油など。
●何回ならOK?
 →2〜3回。もったいなくてもそれ以上は捨てて。
●めったにしないけど、しばらく置いておいても平気?
 →空気に触れることで酸化するので、時間が経つとNG。色が綺麗でも酸化しているので要注意。保存は光を遮断するオイルポットがおすすめ。
●揚げ物の順番は?
 →①天ぷら ②フライ(パン粉付けのもの) ③から揚げ(粉をまぶすものや、下味がついているもの)

また、近年は、酸化させづらいグッズも出ているようです。それらを上手に活用するのもありですね。

家庭での手作り、お惣菜や外食、上手に利用して

とはいえ、食べることで感じる、純粋に「美味しい」という幸せな気持ち…!それも、食の大事な要素。
スーパーや外食での揚げ物も、頻度を考えて上手に利用することで、食事の満足度もあげられます。
油について、正しく知った上で、バランスを取りながら、うまく活用していけたら良いですね。

この記事を書いたのは…

主婦ライター、あゆのすけ。食品メーカーで働く2児母。食べるコト作るコト大好き!フードコーディネーター。「おいしい」と「美と健康」そして「時短」をテーマに、発信しています。

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