【6月の読み聞かせ】元・えほん編集員が選ぶ「〇〇好きにならずにはいられない」名作
絵本大好きママ・こうむらゆうこです。
元児童書・教材編集者で、現在は小学校にて読み聞かせボランティアを行っています。
今回は、私が6月の読み聞かせに向けて借りた絵本をご紹介。
父の日もあることから、愛すべき“おじさん”が主役のおはなしを多めにピックアップしました。
時の記念日に合う、かわいい絵本もありますよ。
お父さん・おじさんが好きになる! おもしろ絵本
2024年の父の日は6月16日。家族の日、とする場合も多いですね。
いつもかわいいものやかっこいいものに囲まれている子どもたちですが、お父さんを含めて、おもしろい男の人(「=おじさん」とします)も大好き!
絵本の世界でも、たくさんの個性的なおじさんが活躍しています。
実際に教室で人気があったお話や、親世代の教科書に載っていた名作を選びました。
うっかりおじさん【朔北社】
「うっかりおじさん」(朔北社)は、忘れ物の多いおじさんが、読者に助けられながら身支度を整えていく、ユニークな絵本です。
このおじさん、態度はふてぶてしいけれど、やることがおもしろすぎるんです…。最後の忘れ物では、園児から小学生まで大笑い! 必ずといって良いほど「もう一回」コールが巻き起こる絵本です。
なかなかパンチのある絵柄ですが、読み終える頃には、おじさんがかわいく見えてきますよ。
・作/エマ・ヴィルケ
・訳/ きただいえりこ
・2019年8月25日 第1刷発行
・40ページ
おじさんのかさ【講談社】
「おじさんのかさ」(講談社)は、雨が降っても、子どもに頼まれても、かたくなにかさを差さないおじさんが主人公です。そんなおじさんが、かさを開く時とは? 読んだ後、ほっこりできる名作です。
教科書で読んだ世代の方もいますよね。おじさん×かさの組み合わせは、梅雨の時期におすすめのお話です。
・作・絵/佐野 洋子
・1992年5月 第1刷発行
・31ページ
まんじゅうこわい【クレヨンハウス 】
「まんじゅうこわい」(クレヨンハウス )は、落語の有名演目が絵本になっています。
へびもおばけも、どーんと来い!という豪快な主人公が怖いものは、まさかの“まんじゅう”!? 落語らしい、いきおいのある文章が、とっても盛り上がる1冊です。
落語絵本シリーズは全15巻ありますので、そちらもぜひ読んでみてください。
・作/川端誠
・1996年3月 第1刷発行
・24ページ
パパのしごとはわるものです【岩崎書店】
小さい子どもにとって、親はヒーローですよね。でも、「パパのしごとはわるものです」(岩崎書店)のお父さんは、まさかの「悪役レスラー」なんです。
「仕事って何なんだろう」という、職業に興味を持つ機会としてもちょうど良いですよ。シリーズ化もされた人気作で、実写映画にもなりました。
・作/板橋雅弘
・絵/吉田尚令
・2011年5月10日 第1刷発行
・32ページ
時間・時計が好きになるユニーク絵本
1920年に制定された、時の記念日。6月10日になったのは、日本書紀の記述が由来とも言われています。
時計の読み方を習い始めたばかりの子どもたちが、共感しながら読める絵本を選んでみました。
ながーい5ふん みじかい5ふん【光村教育図書】
遊んでいる時の5分はあっという間なのに、行列に並んだり、用事を待つ5分は長すぎる〜! 男の子が、日常生活を通して「時間」について考えていくお話です。
あるあるネタ満載で、子どもには刺さるみたいです。家族がたくさん登場するので、その点も6月に読みやすいですよ。
・作/リズ・ガートン・スキャンロン、オードリー・ヴァーニック
・絵/オリヴィエ・タレック
・訳/木坂涼
・2019年10月29日 第1刷発行
・32ページ
チキチキチキチキいそいでいそいで【あかね書房】
子育てをしていると、「いそいで!」「はやく!」が口癖になりますよね。「チキチキチキチキいそいでいそいで」(あかね書房)を読むと、のんびりさんの気持ちがちょっとわかります。
主人公が腕時計を拾ったことから始まる、とっても不思議でゆかいなお話です。文章をスピーディーに読んだり、遅〜く読んだりと、読み手がメリハリをつけやすいのでウケます!
・文/角野栄子
・絵/荒井良二
・32ページ
5分から10分程度でかるく読める本ばかりなので、気になった絵本は、ぜひご一読くださいね!
◆記事を書いたのは・・・サンキュ!STYLE ライター・こうむらゆうこ
元えほん・教材編集者。本&マンガ好きが高じて出版社へ。低年齢児向けの書籍、ワークやすごろく等を多数編集。ヨーロッパの日本語教室にて、昔話を使った授業アシスタントも経験。現在は、主婦ライターのかたわら、読み聞かせボランティアとしても活動中。