冷凍蟹も要注意!?冬でも油断はできない、食品の「適温管理」のヒント
年末年始に向けて、グルメのお取り寄せを楽しむ方も増えるシーズンですね。
せっかくのグルメも、保存方法や解凍方法を間違えてしまっては、食中毒を引き起こすきっかけとなってしまうかもしれません。
「気温が低い冬は食品の取り扱いも簡単でしょ?」と思われがちですが、
冬も食中毒のリスクはあちこちに潜んでいるから要注意。
せっかくの楽しいお休みを、健康で「おいしく」過ごすために知っておきたい、食品の取り扱い方について解説します。
冬だって食中毒の危険はある
気温が低く、夏に比べ食品保存への意識がゆるみがちになる冬。
冬は「食品が傷まない」と思われがちですが、気温が低いからといって室内放置は厳禁です。
特に、ほとんどの食中毒最近は25℃~37℃の間で最も増殖するため、冷蔵庫の外に食品を放置すると品質劣化や食中毒のリスクが著しく高まってしまいます。
こんなシーンはありませんか?
・冷凍食品を常温解凍で放置
・スーパーで買い物をした後、ちょっと寄り道・・・・
・買ってきた冷蔵食材を、冷蔵庫に入れずに放置・・・
食品のなかでも、特に魚介やお肉の取り扱いには気を付けたいところです。
「ちょっと」のつもりで数時間放置している間に、どんどん細菌が繁殖・・・・。
食材は買ったら1時間以内に冷蔵庫を目指して、お買い物のルートを決めましょう。
冷凍していた食材を急いで解凍したいときには、ついつい常温解凍に頼りたくなりますが、長時間の放置は食品衛生の観点からキケンです。
解凍後は放置せずにすぐ調理をするように気を付けます。
常温解凍をする際に、熱伝導性の高いアルミプレートなどを使うと、より短時間で解凍できるため、食中毒のリスクを下げることができますよ。
また、冷凍食品の解凍としては、流水解凍や冷蔵庫解凍の方がドリップも少なく、美味しく解凍できるので、おすすめです。
「食品の取り扱い」が不適切な場合、食中毒を起こす場合も
夏に比べ気温が低いため、「ちょっとくらい・・」と油断をしてしまいやすい時期です。
しかし、このちょっとの油断が、食中毒の引き金となってしまうケースもあるため注意が必要です。
ヒスタミン中毒
鯖やイワシなどヒスチジンを多く含む魚は、不適切な温度で保存された場合に「ヒスタミン」が生成され、中毒を引き起こすことがあります(ヒスタミン中毒)。ヒスタミンは一度生成すると、加熱しても分解されないため、ヒスタミンを作らないこと=適切な温度管理をすることが重要です。
細菌性食中毒
また、食中毒を起こす細菌の1種「腸炎ビブリオ」は海水くらいの塩分濃度が大好き!
室温くらいの温度帯では最も細菌が増殖しやすい温度となるため、冷凍の魚介を解凍する場合、常温解凍は避けたいところです。
おいしさの観点からも、先述の流水解凍や冷蔵庫での解凍がおすすめです。この冬、冷凍の蟹を購入する方も、是非解凍方法には気を付けて召し上がってくださいね!
食品の取り扱いで「冬でも」気を付けたいこと
・食品の一時的な保管場所に注意
・要冷蔵食品の持ち運びは1時間以内を目安に
・適切な保存温度を守る
・(冷凍食品の場合)常温解凍での長時間放置は厳禁!
・調理前の確認
・中までしっかり加熱する
冬でも食品の取扱いには気を付けよう
年末年始に向け、冷凍蟹を購入したという声もよく聞かれるシーズンですが、間違った方法で解凍・保存をしてしまっては、家族全員食中毒になってしまう・・・という可能性もあります。
気温の低い冬でも油断はせずに、きちんと「適温」での保存を心掛けていきましょう。