ホクホクかぼちゃの煮物は「水なし」で作る!調理師が教えるシンプル調理のコツ
秋から冬にかけて美味しい時期を迎えるカボチャ。ホクホクと栗のような味わいを引き出すには?
「水なし」で仕上げるカボチャの煮物の作り方を調理師で食育インストラクターのracssがご紹介します。
カボチャの水分を活用しよう
カボチャは固くて詰まった見た目なので、水を多めに入れて煮込まないといけないイメージがあるかもしれません。しかし目分量で水を入れて煮てみたら、べちゃべちゃの煮物になってしまった!という経験はありませんか?
それもそのはず、カボチャはスイカやメロンとおなじ「ウリ科」。意外と水分の多い野菜なんです。
このカボチャ自体の水分をうまく利用すると、煮るときの水は少なくて済むというわけ。今回は「蒸し煮」スタイルでカボチャの煮物を作るレシピです。
「水なし」カボチャの煮物の作り方
<材料はこれだけ>
カボチャ 4分の1
砂糖 大さじ1
切ったカボチャを鍋に入れ、全体に砂糖をまぶします。今回はカボチャ400gに対し、大さじ1の砂糖をまぶしました。
このままフタをして、数時間から一晩放置してください。
数時間後、フタを開けてみると鍋の底に水がたくさん溜まっています。これが砂糖によって引き出された水分です。
この水分でカボチャを蒸し煮にしていきましょう。
※カボチャの状態により水分量は異なります。
カボチャから出た水分が少ないときは、少量の水を追加してください。
鍋の底全体にうっすら水が溜まる程度の水分が必要です。
※鍋はコンパクトなものを利用するほうが、蒸発量が少なく少量の水分で煮ることができます。
ぴったり閉まるフタをするか、落し蓋をして煮ていきましょう。
弱火で10分程度加熱します。
※水の蒸発をゆっくりにするために「弱火」をキープ!
途中で一度フタを開け、火の通り具合と水分の状態を確認します。カボチャを竹串で刺してみて、まだ固いのに水分がなくなりそうな場合は、さらに大さじ1の水を追加して加熱を続けてください。
竹串がすっと刺されば火が通っています。フタを外したまま鍋全体を軽く揺すって残った水分を飛ばします。
表面が水っぽくなく、粉を吹いた状態になればできあがりです。
蒸し煮で作ったカボチャの煮物は、ホクホクで栗のような食感!
おかずの一品としてはもちろん、あずきやバニラアイスと合わせた和風デザートの素材としてもぴったりですよ。
<ポイント・コツ・アレンジ>
カボチャは「面取り」をしてから煮ると、煮崩れせず美しく仕上がります。カットしたカボチャのすべての角を包丁で削ります(削った部分は別にし、スープなどに活用しましょう)。
面取りをすると一回り小さくなりますが、調理中に角がぶつかりあって崩れ、仕上がりがドロドロになるのを防げます。カボチャの煮物をお弁当に入れたいときや、上品な仕上がりにしたいときには必須のテクニックです。
しっかり味付けをしたいときは、最初にカボチャから出た水分に調味料を加えてください。小さじ1のお醤油と大さじ1の料理酒を加えて煮ると、おかず感のある和風の味に仕上がります。
まとめ|水なしで栗のようなホクホクしたカボチャの煮物を作ってみよう
カボチャ自体の水分を生かし、最小限の水で蒸し煮にする方法をご紹介しました。
ベチャっとしがちなカボチャの煮物も、この方法ならホクホクの栗のような食感に仕上がります。カボチャの素朴な味わいを引き出す調理法です。ぜひお試しください。
●記事を書いたのは・・・racss(らっくす)
【racssプロフィール】
調理師・食育インストラクター2級・菜園家。
もっと楽しく&健康的に食べたくなる食のはなしを発信します。