「ちゃんと」ってなに?子育てに便利なことばの落とし穴
チャイルドコーチングアドバイザー(R) で、サンキュ!STYLEライターの山名美穂です。
親はよく、子どもに向かって「ちゃんとして!」って言いますよね。ところで自分が発した「ちゃんと」の意味を、子どもに「ちゃんと」説明できますか?
その「ちゃんと」、どんな意味で使っていますか?
「ちゃんと」ということばは、本来どんな意味でしょう。goo国語辞典では下のようになっています。
たくさんありますが、自分がどの意味で「ちゃんと」を使っているか、意識して話す人は少ないはず。
例えば「ちゃんと食べなさい」は、「残さずキレイに食べなさい」「お腹いっぱいになるように、十分な量を食べなさい」「さっさとはやく食べなさい」……、どれにでも取れますよね。
「ちゃんと」は、いくつもの意味に取れる曖昧なことば。人によって認識にギャップが生まれやすいのです。
親と子どもの「ちゃんと」が一致していない
子どもにいくら「ちゃんとしなさい」と言っても通じない……、その場合、親と子の「ちゃんと」が一致していない場合があります。
「ちゃんと宿題をする」の意味が、親にとっては「間違いのないように、見直しまでやる」で、子どもにとっては「早く終わらせる」だったら?
「こんなに雑にやって!」「間違いだらけでどうするの?」「やればいいってものじゃない!」と親は怒るでしょう。
子どもは「終わらせたのに、なんで文句を言われるんだろう?」と困ったり、「うるさい!」と感じたりするわけです。
「ちゃんと」は「ちゃんと」説明する
やって欲しいこと・望みの状態があるなら、具体的に伝えることです。
宿題なら「〇時までに終わらせようね」「見直しまでしようね」「丁寧な字で書こうね」。食事であれば「座って食べよう」「できるだけ残さず食べよう」「お茶碗を持とう」と言えばいいのです。
「ちゃんと」は子どもに伝わるように、「ちゃんと」説明してください。
「任せる」ことも大切
子どもがある程度の年齢になれば、「任せる」ことも大切になってきます。
親の「ちゃんと」にそぐわなくても、本人がよければそれでいいこともあります。
洋服はキレイに畳んで引き出しにしまうのが、親の理想かもしれません。しかし本人が生活に大きな支障を感じていないなら、多少駄々草に放り込まれていても任せてあげていいと思います。
任せることは、信じること。子どもを「見守る」も大切ですよね。
伝え方で親子関係を良好に
曖昧な表現がいけないのではありません。ここでは割愛しますが、あえてぼんやりとしたことばで、相手に伝えるスキルもあります。
しかし具体的にやって欲しいことや指示があるなら、丁寧に説明してあげてください。そのほうが、延々と「ちゃんとしなさい!」を繰り返すより早いことを、みなさんもご存じですよね。
それで不要な怒りやケンカを避けられるなら、なによりではないですか。
■この記事を書いたのは…山名美穂
チャイルドコーチングアドバイザー(R)、全米・日本NLP協会NLPプラクティショナー、LABプロファイル(R)プラクティショナー。ウェブライター、ストーリーライターとしても活動中。サンキュ!STYLEでは、子育てや人間関係を中心に、主婦の身近なトピックを扱って執筆しています。
1 少しも乱れがなく、よく整っているさま。「部屋の中をちゃんとかたづける」「いつもちゃんとした身なりをしている」 2 確実で間違いのないさま。「言われたことはちゃんとやる」「ちゃんとした職業につく」 3 結果が十分であるさま。「朝食はちゃんと食べてくる」 4 すばやく動作をするさま。さっと。