「原因」と「解決」◎2つの質問で子どもの話を引き出そう
チャイルドコーチングアドバイザーで、サンキュ!STYLEライターの山名美穂です。
子どもに好ましくないことが起きたとき、2種類の質問を使って話を引き出し、解決を目指しましょう。
原因究明の「なぜ」「なんで」
ひとつ目は、「なぜ」「なんで」の質問。原因を究明したり、問題を見つけたりするためのものです。
例:
・なぜ、それをした/しなかったの?
・なんで、このことが起きたんだろう?
わたし達がよく使う"Why?"のフレーズ、使い方には少し注意が必要。
質問の目的が「うまくいかなかったことの原因を知り、ポジティブな解決策を見つけること」だという認識を、子どもと共有しておく必要があります。
それがないと、子どもは責められているように感じるかも。
結果、自分を守る発言を優先し本当のことが言えない、自分自身のことを責めて苦しむ……、なんてことも起こりえます。
下の記事も、あわせてご覧ください。
問題解決の「そして、どうする」
もうひとつは、「どうやって」の質問。問題解決の思考を引き出します。ネガティブな出来事が起こった後、「どうすればうまくいくか」「どうやって成功させるか」を問います。
例:
・どうやって、解決しようか
・これから、どうしていけばいいかな
・なにをしたら、上手にできるだろう?
わたし達は、「上手くいかなかった経験から学び、これからに活かしたい」と考えますよね。
起こってしまった過去ではなく、この先の未来に焦点を当てる質問をたくさんできるといいです。
子どもの答えが「がんばる」だけ。そんなとき、どうする?
質問に対する子どもの答えが「がんばる」だったら、どうすればいいでしょうか。
いきなり「がんばるって、具体的になにを?」と言うのは、避けたいところです。
まず「がんばって、どうなることを目指すか」を聞いてあげてください。その後「目指す状態に到達するには、具体的になにをするか」を引き出す質問をします。
例:テストの点数が、ふるわなかった場合
△:親「今回は思ったように結果が出なかったね。これからは、どうしたらいいかな?」
子「……次は、がんばる」
親「がんばるって、なにを?」
子「……」
↓
〇:親「今回は思ったように結果が出なかったね。これからは、どうしたらいいかな?」
子「……次は、がんばる」
親「がんばって、どうなりたい?」
子「80点以上取りたい。それで、お父さんにも褒められたい」
親「80点以上取って、お父さんにも褒められたいんだね。そうなるために、なにをしようか?」
自信をなくしている子どもには、「責めないで寄り添う」
子どもが「自分の失敗」に、とても傷ついてしまうこともあるでしょう。自信をなくしている子どもにとっては、どの質問も「責任追及」になりかねません。
その場合、質問は一旦控えます。まずは、子どもの「今の感情」に寄り添いましょう。原因という過去、解決や目的といった未来ではなく、「現在の気持ち」にフォーカスして。
そして「大丈夫だよ」と声をかけたり、抱きしめたり。いつも通りでOKです。
励ましの声をかけるのであれば、「これまでも、いろいろ乗り越えてきたよね」といったふうに、漠然と伝えられると◎。
「〇〇のときは成功した」「□□はうまくった」と具体例を列挙するより、子どもが自分で成功体験を見つけやすくなりますよ。
■この記事を書いたのは…山名美穂
WEBライター。チャイルドコーチングアドバイザー(R)、全米・日本NLP協会NLPプラクティショナー、LABプロファイル(R)プラクティショナー。サンキュ!STYLEでは、子育てや人間関係を中心に、主婦の身近なトピックを扱って執筆しています。