「原因」と「解決」◎2つの質問で子どもの話を引き出そう

2022/04/28
  • 子育て・マインド分野を得意とするWEBライター。チャイルドコーチングアドバイザー、ライフコーチもっと見る>>

チャイルドコーチングアドバイザーで、サンキュ!STYLEライターの山名美穂です。

子どもに好ましくないことが起きたとき、2種類の質問を使って話を引き出し、解決を目指しましょう。

原因究明の「なぜ」「なんで」

ひとつ目は、「なぜ」「なんで」の質問。原因を究明したり、問題を見つけたりするためのものです。

例:
・なぜ、それをした/しなかったの?
・なんで、このことが起きたんだろう?

わたし達がよく使う"Why?"のフレーズ、使い方には少し注意が必要。

質問の目的が「うまくいかなかったことの原因を知り、ポジティブな解決策を見つけること」だという認識を、子どもと共有しておく必要があります。

それがないと、子どもは責められているように感じるかも。

結果、自分を守る発言を優先し本当のことが言えない、自分自身のことを責めて苦しむ……、なんてことも起こりえます。

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問題解決の「そして、どうする」

もうひとつは、「どうやって」の質問。問題解決の思考を引き出します。ネガティブな出来事が起こった後、「どうすればうまくいくか」「どうやって成功させるか」を問います。

例:
・どうやって、解決しようか
・これから、どうしていけばいいかな
・なにをしたら、上手にできるだろう?

わたし達は、「上手くいかなかった経験から学び、これからに活かしたい」と考えますよね。

起こってしまった過去ではなく、この先の未来に焦点を当てる質問をたくさんできるといいです。

子どもの答えが「がんばる」だけ。そんなとき、どうする?

質問に対する子どもの答えが「がんばる」だったら、どうすればいいでしょうか。

いきなり「がんばるって、具体的になにを?」と言うのは、避けたいところです。

まず「がんばって、どうなることを目指すか」を聞いてあげてください。その後「目指す状態に到達するには、具体的になにをするか」を引き出す質問をします。

例:テストの点数が、ふるわなかった場合
 △:親「今回は思ったように結果が出なかったね。これからは、どうしたらいいかな?」
   子「……次は、がんばる」
   親「がんばるって、なにを?」
   子「……」
  ↓
 〇:親「今回は思ったように結果が出なかったね。これからは、どうしたらいいかな?」  
   子「……次は、がんばる」
   親「がんばって、どうなりたい?」
   子「80点以上取りたい。それで、お父さんにも褒められたい」
   親「80点以上取って、お父さんにも褒められたいんだね。そうなるために、なにをしようか?」

自信をなくしている子どもには、「責めないで寄り添う」

家族のことを考えるアジアの男女
kazuma seki/gettyimages

子どもが「自分の失敗」に、とても傷ついてしまうこともあるでしょう。自信をなくしている子どもにとっては、どの質問も「責任追及」になりかねません。

その場合、質問は一旦控えます。まずは、子どもの「今の感情」に寄り添いましょう。原因という過去、解決や目的といった未来ではなく、「現在の気持ち」にフォーカスして。

そして「大丈夫だよ」と声をかけたり、抱きしめたり。いつも通りでOKです。

励ましの声をかけるのであれば、「これまでも、いろいろ乗り越えてきたよね」といったふうに、漠然と伝えられると◎。

「〇〇のときは成功した」「□□はうまくった」と具体例を列挙するより、子どもが自分で成功体験を見つけやすくなりますよ。

■この記事を書いたのは…山名美穂
WEBライター。チャイルドコーチングアドバイザー(R)、全米・日本NLP協会NLPプラクティショナー、LABプロファイル(R)プラクティショナー。サンキュ!STYLEでは、子育てや人間関係を中心に、主婦の身近なトピックを扱って執筆しています。

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