上手に励まそう!落ち込む子どもにしたい声掛け

2022/10/06
  • 子育て・マインド分野を得意とするWEBライター。チャイルドコーチングアドバイザー、ライフコーチもっと見る>>

チャイルドコーチングアドバイザーで、サンキュ!STYLEライターの山名美穂です。

「みんなキライ!」「いつも僕ばっかり……」、そんなことばが子どもから聴かれると、胸が痛くなってしまいますね。そして、なんとか励ましたいとも思うはず。

「みんな」「いつも」、そうお子さんが口にしたとき、どんな声掛けで元気づけたらいいでしょうか。

「みんな」には「誰と誰?」

「みんな」ということばが出てきたら、具体的に誰のことを指すのか、丁寧に問いかけてください。

例:
子「今のクラスは『みんな』騒いでばかりで、先生のいうことを聞かない」
親「そっか、困ったね。みんなって誰と誰のことか、名前を教えてくれる?」
子「〇〇君と、△△君と……、ほとんどの男子!」
親「女の子は、そうじゃない子もいるんだ」
子「騒がない子は、男の子にも何人かいるけど……」
親「男の子にも、静かな子はいるんだね」

お気づきかと思いますが、こういったケースでクラスメイト全員の名前が出てくることは、なかなかありません。

最初は何人か名前が挙がっても、途中で止まるかスピードダウンするはずです。

その時点で子どもは既に「みんなではない」ことに気づき始めています。それで十分。質問は止めてしまってかまいません。

大切なのは「問い」であり、「答え」ではないです。「みんな!」という画一的な視点を、少しでもずらせればOK。

「いつも」には「例えば、どんなとき?」

「いつも、他の子が……」「毎回、わたしばっかり……」。そういう場合は、「いつ」を明確にする質問をしてあげてください。

例:
子「手を挙げても、わたしは当ててもらえない。先生は、いつも他の子を当てる」
親「いつもって、どのくらいの期間、ずっと?」
子「……」
親「〇年生になってから、一度もない?」
子「……それは、ある」
親「今日は、なかったのかな」
子「うん。何回も挙げたのに!」
親「がんばったのに、悔しかったね」

ここでも「みんな」のときと同様、「問い」で「例外」を見つけることに意味があります。

そして「過去に当てられたこともあるんだから、いいじゃない」と伝えるのが目的ではありません。

「いつも・ずっとじゃないかも?」と子ども自身が、「別の可能性」を見いだせればいいのです。

「悔しかったね」など、子どもに寄り添ったことばでお話を終えても大丈夫。

「みんな」「いつも」は、具体的に。そして例外を見つける

子どもに限らず、わたし達は物事を「一般化」して見る生き物です。お母さまご自身も「みんな」「いつも」の概念に、頭を悩ませたことはありませんか。

ご存じの通り「みんなとは誰か」を問われて、全員の名前を出せる人は稀です。「いつも」が24時間365日であることも、ほとんどないでしょう。

子どもが、「みんな」「いつも」のことばにがんじがらめになっているなら、質問で具体的に紐解き、例外を見つけてあげてください。

「あの人は違うかも」「絶対いつも、というわけではない」と思えたら、それだけでも気持ちは楽になるものです。

物事がすぐには好転しなくても、「例外」の気づきが問題解決の糸口になるはず。

もちろん、子どもが深刻な状況にいるのであれば、すぐに介入して助けてあげてください。

一時的な心の乱れであるようなら、目を見ながら優しい調子で質問をして、子どものこころの整理のお手伝いを。

「がんばれ!」「大丈夫!」「気にしない!」のことばより「ひとつの問い」が、子どもの大きな励みになることもあります。

答えは子ども自身の中にある。悩む子の姿を見るのは少し辛いですが、今一度信じてサポートしてあげたいですよね。

■この記事を書いたのは…山名美穂
WEBライター。チャイルドコーチングアドバイザー(R)、全米・日本NLP協会NLPプラクティショナー、LABプロファイル(R)プラクティショナー。サンキュ!STYLEでは、子育てや人間関係を中心に、主婦の身近なトピックを扱って執筆しています。

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