あの人の話はなぜ長い?ただのおしゃべり「ではない」3つの理由とは
チャイルドコーチングアドバイザーで、サンキュ!STYLEライターの山名美穂です。
誰かと話していて、「この人の話、長いなぁ」と感じた経験はありませんか。話が長いのには「話し好き」や「おしゃべり」以外にも理由があるんです。
今回は話の内容ではなく、「感じ方・考え方・話し方」から話が長い理由をみていきましょう。
五感の中で「体感覚(触覚・味覚・嗅覚)」が優位な人である
人間は五感を使って生きていますよね。実践的心理学NLPでは、人それぞれ優位に使っている五感が異なると考えます。
五感は「視覚」「聴覚」「体感覚(触覚・味覚・嗅覚)」の3つに分けられ、どれを優先しているかで話し方の特徴が変わる、とします。
話すスピードは
▷視覚優位:早い
▷聴覚優位:ふつう
▷体感覚優位:ゆっくり
な傾向が。
視覚や聴覚が優位な人には、体感覚優位の人のゆったりとした話し方が「長い」と感じられることがあります。
相手の話すスピードが遅いと思ったら、優位に使っている五感が違うのかな?と考えてみて。相手の話に対する感じ方が、少し変わるかもしれません。
優先感覚による話すスピードは、あくまでも「傾向」です。ゆっくりと話す視覚優位な方も、もちろんたくさんいます。
物事の詳細まで話す人である
物事を全体的にとらえる人(全体型)と、事細かにとらえる人(詳細型)がいます。全体型と詳細型では表現の仕方に違いがあります。ちょっと例を見てみましょう。
質問:新しいカフェはどうだった?
▷全体型:「全体的によかったよ」「いい感じだったよ」
▷詳細型:「コーヒーもおいしいし、インテリアや食器は北欧風でおしゃれで、ランチはパスタと日替わりから選べて、スイーツも種類豊富でよかったよ」
全体型の人からすると、詳細型の話は長いと感じられます。
「なぜ?」に対して経緯を話す人である
「なぜ?」という理由を問う質問に対して「理由」を話す人(オプション型)と、「経緯」を話す人(プロセス型)がいます。そして経緯を話すタイプの人の話は、長いと取られがちです。
「理由を問われて経緯を話す人がいるの?」と思われるでしょうか。例を見ていただくと分かりやすいかもしれません。
質問:なぜ東京に住んでいるの?
▷オプション型:「夫の転勤先が東京だったから」
▷プロセス型:「もともと実家は長野なんだけど、結婚して広島に行って、その後、夫が東京へ転勤になって住むことになった」
プロセス型が理由ではなく、「どのように現状に至ったか」の経緯を述べているのがお分かりですね。
オプション型の人からすると、「なぜ」の問いに対してストーリーを話すプロセス型が理解できなかったりします。そうすると、延々と語られているような印象となり、長く感じます。
掛け算ですれ違うコミュニケーション
・視覚優位(早口)×全体型×理由(オプション型)
人にとって
・体感覚優位(ゆっくり話す)×詳細型×経緯(プロセス型)
人の話はものすごく長く感じられます。
このようにいろいろな要素が掛け合わされると、コミュニケーションはどんどんすれ違いかねません。
ここまでお読みいただいてお分かりの通り、感じ方や考え方の違いであり、どちらがいい・悪いという話ではありません。それから「話題」によってその人の考え方・話し方は変わるということも記しておきます。
逆を言えば「この人は話が長いなぁ」と思っているあなたの話を、相手は「早口で端的すぎてつまらない」と、いらだちながら聞いている可能性もあるわけです。
相手の優位な五感や考え方を咄嗟に見極めるのは、容易ではありません。まずは自分と考え方や優先感覚が違う人がいると、頭の片隅に置いておいて。最初は相手のペースに合わせてみるのもいいでしょう。
そして「あの人の話は長い」とイライラを相手のせいにしても、誰も楽しくはないですよね。プライベートなど自分で選択できる要素が大きい場面であれば、お互いに話しやすい相手・居心地のいい場所を求めて自ら動く。そんなことも大切になってきます。
*NLP(神経言語プログラミング)は、「脳と心の取扱説明書」と呼ばれる実践的心理学。セラピー分野から生まれ、カウンセリングやコーチング等でも広く活用されている。
この記事はNLPと共に、LABプロファイル(R)という言語と行動の組み合わせ・行動の特性を見分けるスキルをベースにして書いています。
■この記事を書いたのは…山名美穂
チャイルドコーチングアドバイザー、全米/日本NLP協会認定マスタープラクティショナー、LABプロファイルプラクティショナー
コーチングや心理学NLPの考えをベースに、子育てや女性のマインドの記事を中心に書いています。
*NLP=神経言語プログラミング。脳とこころの取り扱い説明書とも言われる、実践的心理学です。