そのポジティブワードは逆効果かも⁈子どもの「やる気を奪う」肯定的な言い換えとは

2023/07/25
  • 子育て・マインド分野を得意とするWEBライター。チャイルドコーチングアドバイザー、ライフコーチもっと見る>>

チャイルドコーチングアドバイザーで、サンキュ!STYLEライターの山名美穂です。

子どもがネガティブな発言をしたら、肯定的に言い換えて元気づけたいですよね。しかし間違った方法でポジティブなことばを使うと、せっかくの励ましが逆効果になってしまうんです。

表面的なポジティブワードは子どもを傷つける

子どもが落ち込んでいたら、気持ちを切り替える励ましのことばをかけたいと思うでしょう。そのとき、やみくもにポジティブな声かけをすればいいわけではありません。

例えば、練習試合に負けて悔しがっている子どもに「負けたのが本番じゃなくてよかったじゃない」「がんばったんだから、勝ち負けは気にしなくていい」などと安易に言うのは危険です。子どもは「悔しい・勝ちたかった」と感じる今の自分を否定されたと感じかねません。

子どもの辛い気持ちを汲まず、表面的に肯定表現に言い換えること。それは励ましではなく、ポジティブの押し売りです。

子どもの立場に立って「共感」することからスタート

子どものネガティブな気持ちを肯定的に言い換えても、子どもに快く受け取ってもらえないのはなぜでしょうか。それは親から子への「共感」が足りていないからです。

子どもの立場に立ち、同じ目線から物事を見る。辛い・悲しい・怖いといった気持ちを共有する。親として上からものを言うのではなく、ひとりの人間として寄り添うことを第一にしてください。

ポジティブな言い換えを失敗させない「バックトラッキング」

子どもに共感の気持ちを示しながら、肯定的なことばへ言い換える。そのときに有効な方法をひとつご紹介します。

それは、子どものことばを繰り返す「バックトラッキング」です。一旦子どものことばを繰り返してから、ポジティブ言い換えます。そうすると、子どもはあなたのことばを受け取りやすくなります。

例:
子ども「練習試合で負けたのだから、本番で勝てるわけがない。自分はダメだ」
親「『練習試合で負けたから本番にも勝てない、自分はダメだと思ってしまったんだね』。それは、練習試合にも本番と同じように全力で取り組んでいるからこそ、感じることだと思うよ」

バックトラッキングに関しては、こちらの記事もあわせてご覧ください。

効果的な言い換えについては、こちらの記事をご覧ください。

ネガティブなことばや気持ちも、大切な子どものパート

いつでも前向きで明るい子どもでいてくれたら、理想的かもしれません。しかし、ネガティブな気持ちも大切な子どもの「一部」であることを思い出してください。

自己肯定感が高い人、苦境を乗り越えていける人は「ネガティブな気持ちを持たない人」ではありません。十分に共感され、どんな自分も受け入れてくれる場所があった人です。

気持ちを切り替えるサポートをしたいのであれば、子どもの言うことを一旦そのまま受け取る、同じ場所に立って物事を見る。そして、子どもにはまだ見えていないポジティブな景色を、伝えてあげてください。

■この記事を書いたのは…山名美穂
チャイルドコーチングアドバイザー、全米/日本NLP協会認定マスタープラクティショナー、LABプロファイルプラクティショナー
コーチングや心理学NLPの考えをベースに、子育てや女性のマインドの記事を中心に書いています。
*NLP=神経言語プログラミング。脳とこころの取り扱い説明書とも言われる、実践的心理学です。

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