秘書検準1級保有者が思う「読まれる」手紙の渡し方
主婦の身近な事なら何でも書く、サンキュ!STYLE界の「筆弁慶」、主婦ライターの山名美穂です。
連絡ツールがメールやSNSメインとなって久しいですが、手書きの手紙には特別な温かみがあります。気持ちを込めて手紙を書くのはもちろん、少しでも相手にスムーズに読んでもらえるよう、秘書検定準1級の資格を持つ筆者が、気を付けている事があります。
手紙の封筒への入れ方
筆者が大切にしているのが、手紙の封筒への入れ方です。どのように便箋を折り、どのように封筒に入れ、封をするのか。具体的に見ていきましょう。
便箋三つ折り・和封筒への入れ方
便箋を三つ折りにして、和封筒に入れる場合です。順を追って説明します。
1. 便箋を三つ折りにする
便箋の下1/3を上に向かって折ります。
続いて、上部1/3を被せるように折ります。
手紙の書き出しが、赤い○のところにきます。
2. 便箋を封筒に入れる
赤い○が右下にある形のまま、裏返しにした封筒に、右側から左方向に差し込みます。
3. 封をする
糊付けして、封をします。「〆」を書いて完了です。
読む人の行動に沿って考える
なぜ上に書いたような手順で手紙を用意するのでしょうか?自分が「読み手」になると分かります。
封を開けて、手紙を引き出すと
便箋の書き出し(赤い丸)が、手前下にある状態で出てきます。
赤い○部分を上に開くと
自然と文章の書き出しが、最初に目に入ります。
そのまま下方向にも開いてもらえば、すぐに手紙が読めます。便箋をムダな動作なしで広げられる、それがポイントです。入れ方が違うと便箋をひっくり返したり、回転させたり……読む人の手を煩わせかねません。ただし、これは読み手が「右利き」が前提。左利きの方、申し訳ない。
白紙の便箋は重ねる?
手紙が1枚の便箋に収まった場合、白紙の便箋を重ねるのがマナーです。しかし相手や内容によって、筆者はそれをあえて省く事があります。例えば学校の先生への、連絡や報告の手紙。スムーズに用件を伝えるためには、枚数も文字数もムダに多くならないほうがいいと思っています。*弔事の手紙は1枚に収めます。
「×」じゃなくて「〆」
ちなみに、糊付けした封筒に書くのは「〆」です(写真では「α」みたいになってますが……)。「×」や「メ」ではないので、お間違いのないように。安易に他の人の目に触れさせたくない気持ちを表すためにも、封字は記すようにしています。
手紙は「時間を割いて読んでもらう」物
わたしはマナーや手紙執筆のスペシャリストではありません。手紙のルールは地域や読み手の考え方、時代によっても変わります。絶対の正解はないし、完璧な物が用意できなくてもいいと思います。ただ「相手に時間を割いて読んでもらう」わけですから、その時々に応じて取り出しやすく・読みやすくするよう心がけています。
手紙の書き方・渡し方であなたの印象が決まるかも?
受け取った手紙の書き方・渡し方によって、あからさまに態度を変える人はそういないでしょう。しかし同じ内容なら、読みやすく気配りをされた手紙のほうが、印象はいいはずです。
手紙を渡す機会は少ないかもしれません。でも、絶対に知ってて損はない!100円ショップで便箋や封筒の種類を見るだけでも、知識は増えます。そして、時々ペンを持って手紙を書いてみてください。タイピングやフリック入力のようにスピードが出ない分、熟考し精査された文章になりますよ。
■この記事を書いたのは…山名美穂
文章大好き主婦ライター。実は秘書検定準1級資格保有者。悪筆極まりなく、子どもの汚文字にツッコミを入れるのも躊躇われます。
がんばります。