沈黙は子どもへのギフト◎「考える力」をつけるチャンス

2021/12/13
  • 子育て・マインド分野を得意とするWEBライター。チャイルドコーチングアドバイザー、ライフコーチもっと見る>>

チャイルドコーチングアドバイザーで、サンキュ!STYLEライターの山名美穂です。

親子の話し合い。子どもが黙ってしまい、話が進まない……なんてこと、ありますよね。急かしたり答えを出したくなりますが、「沈黙」というギフトが必要なタイミングかもしれません!

黙っているときは考えているとき

問いかけても、子どもからなかなか返事が返ってこない。すると、親が先に話し出してしまうことがあります。

黙っているときは、考えているときです。子どもは自分の答えを求め、考えを整理している最中。沈黙は「子どもが自分で考えるチャンス」だととらえ、奪わないようにしてあげてください。

急かさない・待つ

どうか辛抱強く、子どもが口を開くのを待ってあげて欲しいと思います。「聞いてるの?」「返事は?」と急かされると、子どもは焦ってしまい落ち着いて考えられません。具体的には、ゆっくり呼吸3回分くらいは待ってください。

気持ちは態度でも伝わります。無言の「早くしなさい圧」が出ないようにしたいですね。待ち時間が長くなりそうなら、ぼんやり天井とか眺めときましょう。

答えは与えるものではなく、子どもの中にあるもの

沈黙が続くと「こうじゃないの?」「〇〇でしょう?」と言いたくなることも。助言はときに必要ですが、やり過ぎには注意してください。

よかれと思ってする提案やアドバイスが、実は親の要望の提示や誘導になっていることがあります。

例:友だちとケンカした子どもに
 子「……」
 親「ケンカしたら『ごめんなさい』って言うんじゃないの?」
 子「……」
 親「お友だちと仲良くしたいでしょう?違う?」
 子「……うん」
 親「そうだよね?ほら、今、仲直りしたほうがいいよ!」
 

上のように言われては、子どもはゆっくり考えられません。そして本人の気持ちは、どのように扱われているでしょうか。お分かりですよね。これが続くと、考えること自体イヤになっちゃうかも。

親の正解が子どもの正解とは限りません。答えは与えるものではなく、子ども自身の中にある。信じて反応を待って。

結論が出なくてもよい

答えが出ずに終わる話し合いはイヤですか?時間内にはっきり決めたいお母さん方も、きっといらっしゃいますね。そして必ずしもその場で、結論が出なくても大丈夫なんです。

時間や人との兼ね合いで、答えが必要なこともあります。もしそうでないなら、子どもに問いかけたまま、沈黙のまま会話を終えて構いません。

その後本人の中で、なんとなく消化されていくこともあるし、何日か経って自分から考えを言ってくることもあるでしょう。子どもは自分のペースで、自分なりの答えを探します。

時間の許す限り「ゆっくり考えていいよ」「決まったら教えてね」、そして「困ったら相談してね」と言ってあげたいところです。

子どもの目線をチェック!

子どもの目線も、沈黙を続けるかどうかの判断材料になります。

NLPでは「内省しているとき」に、目は「左下」に向きやすいとされています。*多くの右利きの人の場合

子どもと向かい合っているなら、お母さんから見て右下を見ていることになりますね。

子どもが左下に目を向けていたら、内なる自分と対話をしている可能性が高くなります。特に注意深く、待ってあげてください。

視線の動きは絶対ではありませんが、ひとつのヒントになるでしょう。

沈黙はコミュニケーションにおける大切な「ギフト」

子どもは大人のようには、考えたりまとめたりできないかもしれません。そして子ども時代は、まさに「自分で考える」練習のときです。もどかしいことも多々ありますが、沈黙という「考えるチャンス」は十分に与えてあげてください。

なにも言わずに待つ。「沈黙」は子どもとのコミュニケーションにおける大切なギフト。そう思って、見守ってもらえると嬉しいです。

■この記事を書いたのは…山名美穂
チャイルドコーチングアドバイザー(R)、全米・日本NLP協会NLPプラクティショナー、LABプロファイル(R)プラクティショナー。ウェブライター、ストーリーライターとしても活動中。サンキュ!STYLEでは、子育てや人間関係を中心に、主婦の身近なトピックを扱って執筆しています。

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