どうして学校に行けないの?…わが子が学校に行けなくなったら①
こんにちは!中3と小6の息子二人の子育てに悪戦苦闘しているアラフィフ主婦、サンキュstyleライターのみい太です。
毎日、子どもが学校に行く。…当たり前のことだと思ってたのに…。
我が家では、二人の息子がそれぞれ、学校に行けなくなる時期がありました。そのとき親は、どうしてなの?と理由を探し、なんとか行かせないと!と方法を探り…結局、どうすることがいちばんいいのか、わからなくなってしまったときもありました。
二人の息子は、それぞれに違う理由で辛くなり、学校に行けなくなりました。だから、それぞれに合った解決方法を探る必要があったのです。
ここでは、それぞれの行けなくなった理由についてお話させてください。
長男の場合
今中3の長男は、学習障害があります。
学習障害とは、発達障害のひとつで
「全般的な知能発達に遅れがないものの、『聞く、話す、読む、書く、計算する又は推論する』能力のうち特定のものの習得と使用に著しい困難を示す様々な状態」を指します。
真面目な彼は、一生懸命がんばっているのに、みんなと同じように書けない、読めない、覚えられないという経験を積み重ね…
「ぼくはダメなヤツなんだ」
と自信を失っていったようです。それでもギリギリのところで踏みとどまり、がんばって学校へ行っていた小3のある日のことでした。
給食当番のとき、白衣がきちんと着られていなかった長男に、先生が
「ちゃんとできないなら、当番をやらなくていいです!」
と注意しました。自閉症スペクトラムもあり、言葉の裏を読めずにそのまま受け取ってしまうところのある長男は、言われたとおりに白衣を脱いで座っていました。そんな彼に先生は
「どうして当番をやらないのか」
と叱ったそうです。
他の子どもに対してなら、普通によくある注意の仕方かもしれません。でも、長男にとっては、張り詰めていた糸がプチン!と切れてしまうほどの辛い経験だったのでしょう。ぼくは一生懸命がんばってるのに、言われたとおりにしてるのに、どうして叱られてばかりなのか…やっぱりぼくはどんなにがんばってもダメなんだ…と。
そして長男は、帰ってきてから
「もうだめだ、もうがんばれない」
と大泣きし、次の日から学校へ行けなくなりました…。
そのときは、長男をゆっくりと家で休ませながら、親が学校に何回も行って、長男が何が辛かったのか、今後はどんな支援が必要なのかを話し合いました。そして1週間ほど休んでから、長男は自分から学校に行き始めたのですが…。
4年、5年と理解のある担任の先生に受け持っていただき、たくさんの支援もしていただきました。それでも、「がんばってもみんなと同じようにできない」状況の中で彼は苦しみ、早退が続いたり行事に出られなかったりする状態が続きました。
そこで、私たち親は決断をしました。今のままの環境では、いつか彼は自分に自信をなくし、彼のいいところまで失ってしまう。彼のペースで学ぶことができて、自分に自信を持つことができる環境に移ったほうがいいのではないか、と。
そして小5の2学期から、特別支援学級に転学をしました。見学や体験を通して
「ここなら安心して過ごせそう」
と長男自身が行くことを決めました。
そこでは、彼に合ったペースで勉強を進めることができ、また困ったときには複数人いる先生がすぐに助けてくれました。年下の子が多く、長男は慕われ頼りにされたそうです。
そんな環境の中で、長男は自分に自信を取り戻し、また周りへの信頼も取り戻せたようです。笑顔が戻り、前向きになり…今は、フリースクールに元気に通っています。通いたい通信制の高校を見つけ、「ここなら勉強をがんばってみる!」と夢を膨らませています。
次男の場合
元々とても繊細で、周りの顔色を見て言いたいことが言えなくなってしまうところがあった小6の次男。コロナ禍での休校明けから登校渋りがひどくなり、夏休み明けにはとうとう学校に入れなくなってしまいました。
校門まで送っていっても、玄関で「なぜかわからないけどすごく不安で怖くて」そのまま回れ右をして家に帰ってきてしまったり。その後はしばらく教室まで送って行ったのですが、毎朝涙を流して教室の前で立ちすくむ姿を見ていて…、
「このままがんばって学校に行き続けることが彼にとっていいのかな?」
とモヤモヤとしていました。学校の先生には
「このまま少しずつ慣れていきましょう!」
と励まされていたのですが…。
彼の話を聞き、様子を見守るなかで、気づいたのが
「学校という環境自体が、次男にとっては不安なんだ。」
ということでした。
みんなで同じことを同じレベルで行うことを求められる学校生活で、次男は周りにアンテナを張りまくって、まちがえないように、みんなと同じになるようにとがんばっていたようです。だからこそ、ちょっとでも失敗やみんなとちがうところがあると、
「これは失敗だ、もうダメだ!」
と落ち込んでしまうようです。先生も、周りの友達も、決して責めたりしないクラスだったのですが‥自分で納得できないのですね。
また、高学年になり、友達とのコミュニケーションの取り方も複雑になるなかで、
「この子は本当はぼくのことをいやがってないかな、この言葉は悪口なのかな」
と自分のなかで不安を募らせ、友達に話しかけられなくなった‥と次男が話してくれました。友達とかかわることが好きな子だけに、そのように自分から孤立してしまうことは辛かったのでしょう。
そしてもう一つ、音や人の感情に対して過敏なところのある次男は、先生方の大きな声や強い口調での指示や注意がとても辛いのだそうです。たとえ自分に言われているのではないとわかっていても、怖くて涙が出てくるのだそう‥。このような不安を抱えているお子さんの話は実はとてもよく聞きます。耐えきれずに学校に行けなくなったというお子さんも少なくないのです。
次男の抱えている不安に気づき、
「これは、どんなに支援をしてもらっても、不安は解消されないかもしれない。次男がつぶれてしまう前に、環境を変えて安心して過ごせるようにしたい。」
と私たち両親は考えました。毎朝、たくさんのクラスメイトの前で泣かなくてはならない次男を見ていると‥彼の自尊心が、いずれつぶれてしまうと思ったのです。
そこで、学校に行かなくても大丈夫だよ、と休ませ、次男が安心して友達や先生と交流できる場所を探しました。次回は、そのお話をさせてください。
~読んでくださりありがとうございました~
**掲載の体験談は個人の感想です**
**この体験談は、我が家の場合です。挙げている事例は、すべてそのまま発達障害につながるものではなく、ケースバイケースであることをご理解ください。**
■書いたのは…サンキュ!styleライター みい太
大食漢のダンナさんと中3&小6の食べ盛り男子を満足させるのに悪戦苦闘!教員と保育士の資格を活かして子育て支援の現場で働きながら、手抜き&時短をモットーに日々のごはん作りを楽しんでいます。
元サンキュ!トップブロガー 公式サンキュグラマー
発達障害をもつ子どもを絶賛子育て中!
同じように発達障害児育児に奮闘している親御さんたちの共感と情報交換の場所となる支援団体を主宰しつつ、子育て支援をしたいという夢に向かって修行中です!
元小学校▪特別支援学校教員 保育士
早期発達支援士
発達障害コミュニケーション初級指導者
ペアレントプログラムトレーナー