オーガニックコットンだから肌に優しいというのは勘違い!だけど選ぶのはなぜ?
こんにちは。サンキュ!STYLEライターのdanngoです。
肌に優しいとして、ベビー服などによく使われるオーガニックコットン。
実際は、オーガニックコットンだから残留農薬の危険性がなく肌に優しいわけではないのです。
オーガニックコットンの持つ本当の優しさをお話しします。
普通の綿でも残留農薬の心配はない
オーガニックコットンと聞くと、残留農薬がないから肌に優しく健康的だというイメージを持つ人が多いのではないでしょうか。
実際のところは、オーガニックコットンと普通の綿を科学的に検査すると成分にほとんど違いがないことがわかっています。
気になる残留農薬は綿花が糸になり布になる加工の段階で、流れ落ちてしまうのだと考えられています。
品質に変わりがなくてもオーガニックを選ぶ理由
残留農薬の心配がないなら、わざわざオーガニックコットンを選ぶ必要はないと考える人もいそうですね。
たとえ肌への優しさが変わらなくても、オーガニックコットンを選ぶメリットはあるのです。
そのメリットの大部分が環境問題に関すること。
綿花は食べ物ではないため農薬を多用される傾向にあり、殺虫剤・除草剤・落葉剤などを大量に消費します。
そこで問題になるのが周辺地域の環境汚染。
生産農家や地域住民の健康被害も問題となっています。
また、農薬を使用した大規模な綿花栽培は大量の水を必要とします。
アラル海という湖をご存じでしょうか。
この湖はかつて日本の東北地方とほぼ同じ面積でしたが、綿花の栽培により入りこむ水が減った結果10分の1ほどに縮小してしまったのです。
当然、湖を頼りにしていた住民の生活は激変してしまいました。
オーガニックコットンなら、雨水を利用して成長できるため大幅に農業用水を節約できます。
環境に優しい繊維はほかにも
オーガニックコットンのよさがわかっても、やはり安さに負けて普通の綿を買ってしまいたくなりますよね。
環境に優しい繊維ならほかにもいくつかあります。
代表的なのが麻。植物の種類によってリネン、ラミー、ヘンプ、ジュートなどと名前がかわります。
麻は生命力の強い植物のため、農薬や化学肥料を必要としません。
成長がはやく、二酸化炭素をよく吸収します。
ゴワゴワしたイメージがありますが、かつてより品質が向上したので肌触りのいいものが増えてきています。
動物性素材は賛否両論がありますが、ウールやシルクも自然素材なので生分解性があるという意味ではサステナブルな素材。
長く使うという前提で買うならいいと私は思います。
イメージだけで考えず本当の優しさを知ることで、納得して選ぶことができるといいですね。
※参考文献 石田紀郎『消えゆくアラル海 ――再生に向けて』2020年、藤原書店
◆記事を書いたのは・・・danngo
物心ついた時から生き物大好きだった40代主婦。美しく平和な地球と子どもの未来を守りたいと考えています。面倒くさがりのため、できるだけ手抜きしてズボラでもできるエコ活動を模索中。