日文出身の主婦が学生時代に調査!文字・漢字の多い人気少年マンガとは
日本文学科で主に古典文学や日本語について研究していたdanngoです。
日本語研究のゼミで、「少年マンガの中で文字数の多い作品は何か」という調査をしてみた学生時代の私。
多くの少年マンガ作品の中でも断然トップの文字数・漢字数をほこるものはこれでした。
『こちら葛飾区亀有公園前派出所』
学生時代、人気少年漫画雑誌『少年ジャンプ』に同時期に連載されていた『BLEACH』などの少年マンガとセリフの文字数を比較してみたことがあります。
もともと「文字数が多い」という印象がありましたが、実際に数えてみると文字の量の多さは圧倒的。
他のマンガのゆうに2倍以上あり、少年マンガというより成年向けのマンガに近いレベルでした。
同じマンガの中でもスポーツ系のものは文字数が少なく、推理ものになると増える印象です。
『こち亀』は推理ものではなく警察官が主人公のギャグマンガですが、セリフは長くなりがちで少し難しい言葉が出てくることも。
コミックス所収の最終話の字数を今回試しに数えたところ、20ページで2,565文字。
(ひらがな・カタカナ・漢字・数字の合計。記号は外しました。手計算のため、多少の相違はあるかもしれません)
週刊少年マンガの1話分のページ数は19ページくらいで、学生時代の調査では1話あたりの文字数が1,000文字未満のマンガもありました。
やはり、『こち亀』の文字数は少年マンガの中では圧倒的に多いのです。
※執筆時の最終巻は200巻ですが、2021年10月4日に201巻が発売とのこと。楽しみですね!
漢字の字数も多め
研究してわかったのが、『こち亀』は漢字の字数も多いということ。
文字数の多さほど目立つ傾向ではありませんが、全体をながめるだけでもなんとなく漢字が多い印象を受けます。
ちなみに、最終話の文字数2,565文字のうち、漢字は631文字。
24.6%、つまり全体の約4分の1が漢字だったのです。
漢字の多い少ないは作家の個性が出るところですが、調査したところスポーツ系のマンガの場合は内容的にカタカナが多くなりがちだという結果が出たのを覚えています。
漢字が多い本を読んだ方がかしこくなるとは一概に言えませんが、マンガで漢字に慣れておくというのは良い手段かもしれません。
テーマが幅広く飽きない
警察官が主人公のマンガなので、社会問題をテーマにすることが多い傾向にあります。
1976年から2016年までの40年間、休載期間もなく連載され続けたため、古いものから読んでいくと時代の流れを感じられ面白いです。
時事問題を扱っていても、ギャグマンガなので面白おかしく読めます。
主人公の両津勘吉の警察官らしからぬ型破りな行動に笑わされっぱなし。
アニメ・ゲーム・コスプレなどのサブカルチャーや、スポーツ、乗り物、グルメなど、扱うテーマは幅広く、しかもマニアック。
これだけの密度の作品を40年間連載し続けた、作者の秋本治さんにはひたすら頭が下がります。
暇つぶしになりつつも、読むと少しためになるかもしれないマンガを紹介しました。
マンガは脳に良いという説も聞きますので、内容さえ悪くなければしからずに読ませてあげてほしいなと思います。
◆記事を書いたのは・・・danngo
中高国語科教員免許を持つ、活字中毒気味のアラフォー。高学歴・高血糖・高齢出産の三高ライター。「家事は化学、子育ては文学」を信条としている。