その油が熱帯雨林を壊している?環境をいたわる商品の選び方
こんにちは。サンキュ!STYLEライターのdanngoです。
私達の身の回りで多く使われている油。
なくてはならない大切なものですが、原料や生産地についてわかっていないものが多いのではないでしょうか。
今回は、熱帯雨林を破壊する可能性のあるパーム油について考えてみます。
パーム油と熱帯雨林の関係性とは?
パーム油は、アブラヤシという植物の果実からとれる油のことです。
ヤシの実というと多くの人はココナッツを思い浮かべるでしょうが、それとは違う植物なのです。
高温多湿の熱帯地域でしか育てられないため、主な生産地はインドネシアとマレーシアに集中しています。
アブラヤシからは他の植物より多く油をとることができ効率が良く、加工もしやすく便利なことから、需要の高い油なのです。
その結果、多くの熱帯雨林が伐採されアブラヤシ農園に変わってしまいました。
熱帯雨林だけでなく泥炭地と呼ばれる湿地帯も水抜きされ農園となり、森林火災も多発するようになったそうです。
火災により泥炭地に分解されないまま眠っていた炭素が二酸化炭素となり放出され、地球温暖化の原因にもなってしまっていると聞きます。
どんなものにパーム油が使われている?
パーム油は非常に利便性が良く、洗剤、化粧品、食品などに多く使われています。
ヤシの実の洗剤のイメージが強いかもしれませんが、実際のところは石けんにも使われています。
使われていても気づきにくいのが、お菓子やインスタント麺や揚げ物などの食品。
というのも、パーム油という表示が見当たらないことがあるのです。
このポテトチップスの原材料名には、「植物油脂(米油、パーム油)」の記載があり、パーム油を使っていることがすぐわかります。
どんな油を使っているのかあいまいにしていないので、比較的良心的と言えるでしょう。
ところが、こちらのビスケットの原材料名には「植物油脂」と書いてあるだけで、何の油を使っているか知ることができません。
実は、食品表示においてパーム油は法律上「植物油脂」と表記することができるのです。
菜種油や大豆油も植物油脂ですから、パーム油を使った食品だけを見分けることは難しくなっています。
ただ現状では、「植物油脂」と書いてあったらそれはパーム油が主体であることが多いようです。
どんな商品を選べばいい?
パーム油が環境破壊につながっていると聞くと、「パーム油を使った商品をボイコットすれば良い」と思いがちですが、問題はそれほど簡単ではありません。
というのも、生産性の高いパーム油のかわりに他の油を使うとなると、より多くの農地を必要としてしまうからなのです。
基本的に、パーム油が多く使われているのはスナック菓子、チョコレート、マーガリン、インスタント麺、外食や惣菜の揚げ物などです。
こういった食品を食べ過ぎると健康にもあまり良くないので、できるだけひかえることが大切です。
たまにはポテトチップスやドーナツなどのお菓子を、家庭でつくってみてはいかがでしょうか。
自分でつくれば工夫して使う油を減らせますし、油を目の当たりにするとカロリーが気になり食べ過ぎも防げます。
毎日は難しいですが、たまにやると達成感があり楽しいですよ。
生活用品の場合、RSPO認証マークというものに注目してみることをおすすめします。
RSPOとは、「持続可能なパーム油のための円卓会議」のこと。
定められた7つの原則のもと第三者機関が各工程をチェックし、審査・認証しています。
熱帯雨林の伐採をおこなわないなど、厳しい条件をクリアし持続可能性を実現していることをあらわすマークなのです。
マーク自体は小さいのですが、ヤシの木のような絵がついている特徴的なマークなので見つけやすいと思います。
使い過ぎないことと慎重に選ぶこと、この2つが森とそこに住む生き物を守る行動となっていくはずです。
◆記事を書いたのは・・・danngo
中高国語科教員免許を持つ、活字中毒気味のアラフォー。高学歴・高血糖・高齢出産の三高ライター。「家事は化学、子育ては文学」を信条としている。