先取り学習は必要?元塾講師の率直な意見をお伝えします

2022/01/03
  • 二児の母。塾講師、学校教師の経験あり。甘いものと日本の古いものをこよなく愛しております。もっと見る>>

こんにちは。サンキュ!STYLEライターのdanngoです。
新学期を視野に入れて、小学一年生の学習内容を先取りして勉強させようとしている親御さんも多いことでしょう。
実際問題、先取り学習は必要なのかどうか、元塾講師の考えをお伝えします。

絶対にやらせなくてはいけないものではない

私の住む地域では幼稚園の年長、あるいは年中のうちから小学校の勉強内容を学んでいる子どもが多いです。
幼稚園で学習の時間をとって、ひらがなやかたかなの練習をさせることもあります。
でも、小学校に入って間もないうちは学校探検などをすることが多く、いきなりひらがなを習うことはありません。
小学校入学時に必要な能力は「ひらがなとアラビア数字が読めること」です。
先生は話しながら要点を板書に書いてくれることが多く、読めないと先生の言ったことを暗記するしかありません。

また、連絡帳を書くためなんとなくでもいいのでひらがなが書けた方がいい、というのはあります。
連絡帳の字は内容がわかればいいのが前提で、正しい書き順や字形は考えなくてかまいません。
計算、かたかなや漢字を書く機会はしばらくないので、やっきになってやらせることはないのです。

先取り学習が向いている子、不向きな子

塾講師としていろいろな小学生と接してわかったのが、子どもの性格によって先取り学習がプラスに働く場合と働かない場合があるということです。
先取り学習が向いている子は、ひかえめで自分に自信がない子。
少しでも周りと遅れていると感じるとかなり落ち込んでしまうので、安心させるために先取り学習をさせるのはありだと思います。
手先が不器用な子どもも文字を書けるようになるのに時間がかかるため、簡単なことからやらせて慣らしてあげることは大事です。

逆に先取り学習が不向きなのは、自信家で目立ちたがり屋の子ども。
私が塾講師だった頃、このタイプの子どもに手を焼いたことがありました。
授業の内容を先回りして口走ったり、全体に投げかけた質問に間髪入れず答えてしまったりして話の腰を折るのが得意なのです。
塾では4年に入塾した子どもと5年に入塾した子どもとの間に知識量の差があることが多く、4年入塾組に目立ちたがりの子がいると大変。
小学校でも似たようなことがあり先生が注意するシーンもあるので、自己顕示欲が強いタイプの子どもには先取り学習をやらせすぎない方が良いと感じます。

勉強よりも大切なことがある

結論としては、先取り学習をさせるなら子どもの性格を見極めて、子どもと相談しながら無理のない範囲で楽しくやらせてほしいという意見です。
子どもが嫌がるのに無理にやらせてしまっては勉強嫌いになる可能性もあり、小学校生活に希望を持てなくなってしまうかもしれません。
子どもが恥をかかないようにしたいという気持ちはわかるのですが、かえってプレッシャーになることも。
最低限のことだけできていればなんとかなりますので、心配しすぎないで。

それよりも、小学校生活に向けての体力づくりや生活習慣づくりを気にしてみてください。
小学生になると慣れない環境で疲れやすくもなります。
食事や運動、睡眠などをしっかりさせてあげるようにしましょう。
幼稚園生だった場合、それまでより朝早く起きなくてはならないことがほとんどです。
夜更かししない習慣に切り替え、早寝早起きできるようにしたいもの。

一昔前と比べると小学校は良いところ。
小学校生活を楽しみにして過ごせるといいですね。

◆記事を書いたのは・・・danngo
中高国語科教員免許を持つ、活字中毒気味のアラフォー。高学歴・高血糖・高齢出産の三高ライター。「家事は化学、子育ては文学」を信条としている。

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