元塾講師が考える!小学生のうち身につけておきたい基礎学力とは
中学受験を目指す大手進学塾での勤務経験があるサンキュ!STYLEライターのdanngoです。
正直な話、知識やテクニックは何歳からでも教えられるので知らなくても問題ありません。
困るのは、基礎的な学力が身についていないケース。
小学生のうちに体得しておきたい力とは何か、考えてみました。
小学生になるまでに理解させたいこと
幼稚園生のうちから英才教育をほどこす必要はないと感じています。
友達と遊ぶ時間を多くとって、コミュニケーション能力を育てた方が良いですね。
あえて言えば、ひらがなとアラビア数字が読めること、なんとなくひらがなが書けることは必要です。
「なんとなく」というのは、書き順などが適当でも後で自分が見てわかる字が書ける状態。
連絡帳を自分で書かなくてはならないことが多いためです。
低学年で重視すること
算数なら、足し算・引き算・かけ算を習います。
いわゆる四則計算は算数の中でも基礎なので、くり返し学習させましょう。
国語では、ひらがな・カタカナ・漢字をていねいに書くことをまず重視したいところ。
成績の良い子というのは、字がきれいなことが多いのです。
達筆である必要はないのですが、なぐり書きではなく字の形に気をつけて正確に書くことは大事。
最近は発表形式の授業も増えてきています。
親子の会話でも「あなたはどう思うの?」などと聞いて自分の考えを説明させる機会をつくると良いでしょう。
中学年で気をつけること
小学3、4年生では、割り算、分数や少数の計算が出てきてより複雑な思考力が求められます。
特に分数はやっかい。
分母と分子の関係性がわからないと解けないので、ケーキを切り分けて教えたり、分数パズルを使って教えたりしたいですね。
図形の問題も増えます。折り紙、パズル、工作などで図形にふれる機会を増やしましょう。
3年生からは生活の授業がなくなり、理科・社会の学習がスタート。
ここでは、「自分で調べ考えて結論を出す」という力が求められます。
近年の全国学力テストでは、調査や実験の結果から「どう考え、どう結論づけるか」を問う問題が目立つ傾向に。
答えを暗記するだけのかつての学習法とは違ってきているので、「どうしてそうなったの?」と考え方をふりかえるための質問をすると良いでしょう。
高学年でつまずきやすいポイント
5、6年生では学習内容がかなり高度になり、大人でもやや悩むようなことを習います。
算数では「比」などの抽象的な概念が難関。
数そのものの値ではなく、「複数の数の関係性」をしめすものだというのがわかりにくいようです。
私は、「それぞれの数の中でできるだけ大きなまとまりをつくり、そのまとまりの数を数える」といった教え方をします。
これを日常生活でしめすのに最適なのが、買い物。
数個まとめて売られている野菜や果物、お菓子などでカウントできるからです。
「みかん7個で1袋。お母さんが1袋、おじさんが2袋買ったらお母さんとおじさんの買い物額の割合は1:2。買った個数は7個と14個」
ここまでくわしく教えることは難しいでしょうが、かいつまんででも話してあげると理解しやすくなるはず。
悩ましいのが、どの科目でも長文の文章題がでてくることです。
国語力が必要で、日々の会話や読書習慣がものを言うところ。
友達との会話だけだと語彙が限られるので、大人と話す時間をつくりたいものです。
時間がとれないなら、テレビを観るのもわずかですが助けになります。
軽薄なバラエティより、じっくりと話すインタビュー系、トーク系がおすすめ。
一方的に聴くだけになる問題もあるので、あくまで補助と考えてください。
小学生の学習で大事なことを書いてみました。
全てに気を配ることは難しいですが、日常生活の中で身につけられる部分もあるので、少しでも意識するだけで違ってくるかと思っています。
◆記事を書いたのは・・・danngo
中高国語科教員免許を持つ、活字中毒気味のアラフォー。高学歴・高血糖・高齢出産の三高ライター。「家事は化学、子育ては文学」を信条としている。