アフターコロナ時代に求められるものは「○○する力」

2020/06/12
  • 二児の母。塾講師、学校教師の経験あり。甘いものと日本の古いものをこよなく愛しております。もっと見る>>

こんにちは。サンキュ!STYLEライターのdanngoです。
新型コロナウイルスの流行とともに広がる不安。いったん落ち着いたものの、再流行の可能性もなきにしもあらず。
そんな中、今までとは違う心の持ちようが求められるようになってきていると思います。

求められるのは「諦める力」

コロナに打ち勝つには、何事にも屈しない「諦めない力」が必要だと思う人もいるのではないでしょうか。
私はむしろ逆ではないかと思うのです。ほどよく肩の力を抜き、諦めるところは諦める。そんなやり方のほうがしぶとく生き残っていけるはずです。
そんなことを考えながらふと「『諦める力』という本があったら売れるはずだ」と検索したところ、ありました。
元オリンピック代表、為末大さんの著書です。

この本を読むと、非常に腑に落ちるというか、元気づけられることが多々ありました。
「諦めるのは悪いことではない」
「諦めることは効率の悪い道を捨て、効率の良い道を残すこと」
彼が特に言いたいことをまとめると、こういうことではないかと感じました。

引き返すのではなく、道を選ぶ

日本人の中には「諦めることは悪いこと、諦めず最後まで続けるのが正しいこと」という考えが根強いと思います。
「頑張ればなんとかなる」というのが口癖のようになっている人もいるのでは。
実際には頑張ってもどうにもならずに時間と労力を浪費し、「あの時すっぱり諦めて別の道に進んでいれば」と後悔するケースもあるはずなのに。

確かに、最近では仕事も恋愛も家族も趣味も一切諦めず、強く美しくバイタリティにあふれる女性もたくさんいます。
それでも犠牲になっていたものがあったはずですし、協力者がいたことも考えられますね。
現代の発達したインフラやテクノロジーが欲張りでも生きていける状況を作っていたともいえます。
コロナの流行で移動は著しく制限され、人と会うこともままならず、物資も不足する状況が続きました。
そんな中で今までと同じ生活を維持することは、到底できません。

だからこそ諦めることが必要。
とはいっても、何もかも投げ出してしまうのはよくないですね。
引き返したり逃げ出したりするのではなく、ある道は諦めて別の道を探すのです。
言い換えれば剪定にも似ています。
庭木の中には、梅の木のように不要な枝を切り落とすことで美しくなるものもあります。
不必要なものはそぎ落とすのです。
枝が伸びすぎて他の枝にあたる日光をさえぎってしまい、枯れてしまうというのは自然界でもあります。

例えば、カフェを開きたいという夢があったとしても現状では難しいかもしれません。
でも、カフェを開くというのは自分の願望を満たす手段の1つでしかないはず。
手製のスイーツを食べてもらいたいならレシピサイトにケーキの作り方をのせ、自分で焙煎したコーヒーをふるまいたいなら豆をネット販売するというやり方ができるでしょう。

迷いを捨て、気持ちをはっきりさせる

料理家のコウケンテツさんがあるインタビューで「『諦める』という言葉にもともと悪い意味はなく『物事を明らかにし、迷いを断つ』という意味だった」と話しているのを見た記憶があります。
古語の「あきらむ」は「明らか」と同じ語源を持つ言葉。
「はっきりさせる」という意味で用いられ、「事の次第あきらめて」などと使います。
できないことをはっきりさせることから「断念する」という意味が生まれましたが、そこには投げやりになるといったネガティブイメージはなかったのです。
本来の意味での「諦める」ことを大事にし、できないことを頑張ろうとしないことです。
コロナと戦うには気力体力ともに温存するのが得策ではないでしょうか。
そのためにも無理に頑張ることをやめ、「良い加減」に「諦めて」いきませんか。

◆記事を書いたのは・・・danngo
中高国語科教員免許を持つ、活字中毒気味のアラフォー。高学歴・高血糖・高齢出産の三高ライター。「家事は化学、子育ては文学」を信条としている。

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