子どもに「お金がない」と言いすぎた弊害とは?言い換え例を紹介
こんにちは。サンキュ!STYLEライターのdanngoです。
小さい頃、親に「お金がない」と言われ続けながら育った私。
似たような境遇の人と話した結果、「お金がない」と言いすぎるといくつかの問題が発生することがわかりました。
私自身が子どもに対してお金のことを話す時、気をつけている表現についてもお話しします。
問題1:なんでも我慢してしまう
大人が言う「お金がない」状態は、「今月の予算が残り3万円で、現在のペースで使い続けると給料日前日には1,000円しか残らない」くらいの意味であることが多いです。
小さい子どもにとって「お金がない」というのは、「全財産が小銭数枚」もしくは「1円もない」というイメージ。
親子で「お金がない」という表現のイメージがかけはなれているため、「お金がない」と日常的に言われ続けると子どもは勝手に「我が家はひどく貧乏なのだ」と勘違いします。
すると子どもはほしいおもちゃやお菓子を遠慮するだけにとどまらず、本当に必要な文房具でさえ「買って」と言えなくなります。
結果、鉛筆を指で持てる極限まで使おうとしたり消しゴムをいつも隣の席の子から借りて使ったりと、我慢や無理をしてしまうことになります。
問題2:親への不信感
私の親はバブル崩壊後ことあるごとに「お金がない」と言うことが増え、「家のローンがきつい」といったこともこぼしていました。
それを聞いていた学生時代の私は、「早く就職して家にお金を入れなければ」と考えてしまうことに。
私の学生時代は超のつく就職氷河期。
「青山学院大学卒業予定」という肩書も、「体育会系の部活動を4年間続けた」という精神力も評価してもらえません。
私の同期もみな数十社受け、内定どころか最終面接にも進めないというありさま。
8月になってから小さな不動産会社の内定を勝ち取りました。
それからしばらくして、ダメ元で受けていた大学院の入学試験に合格していたことが判明したのです。
毎年若干名の募集しかなく、受かったのはかなりの幸運。
それでも私は当初、大学院合格はなかったことにしようとしていました。
家に学費を払う余裕はないと考えたのです。
その後親に「行きたいなら大学院に行っていい」と言われた時には、すぐさま「でもお金がないじゃない」と言ってしまったほど。
「授業料くらい出すお金はある」と言われた時、私はどうしようもない親への不信感を覚えました。
ずっと嘘をつかれていた、だまされていたと感じてしまったのです。
問題3:大人になってくりかえす
小さい頃親に「お金がない」と言われて育った人の話を聞くと「自分もことあるごとに『お金がない』と言ってしまう」とのことでした。
大人になって親の「お金がない」はおねだりを断るための詭弁にすぎなかったとわかっていても、親の口ぐせを無意識のうちにくりかえしてしまうようです。
「お金がない」と言いたくなった時の言い換え例
子どもと一緒に買い物をせざるをえず、店でおもちゃやお菓子などをねだられて「お金がない」と言いたくなることもありますね。
私はそのような時、こういった言い方をしています。
【100円ショップで】
・今回買っていいのは3つまでだよ
【ガチャガチャの前で】
・あなたがほしいものが出てくる可能性は低いよ。それでもやるの?
・ガチャガチャをするために来たわけじゃないから、用事が終わってからもう1回来よう(時間がたつと「やっぱりいい」となることも。それでもやりたがったら1回だけつきあう)
【スーパーで】
・肉や野菜を買わなくてはいけなくて、今日は手持ちのお金が少ない。お菓子は300円までにしてほしい
大人にとっては「必要のないもの」がその時の子どもにとっては「とても大切なもの」なのかもしれません。
一方的におさえつけず、冷静に話し合って妥協点を見つけられるといいですね。
◆記事を書いたのは・・・danngo
中高国語科教員免許を持つ、活字中毒気味のアラフォー。高学歴・高血糖・高齢出産の三高ライター。「家事は化学、子育ては文学」を信条としている。