あなたは脳にだまされている?無駄遣いが減る考え方のコツ

2020/04/19
  • 二児の母。塾講師、学校教師の経験あり。甘いものと日本の古いものをこよなく愛しております。もっと見る>>

こんにちは。サンキュ!STYLEライターのdanngoです。
知らず知らずのうちにやってしまっている無駄遣い。
「注意しているつもりなのに減らないのはなぜ?」というあなたのために、本好きの私がおすすめしたい本を紹介します。

『そのお金のムダづかい、やめられます』

そのお金のムダづかい、やめられます

この本は、一般的な節約系の本とは少し違います。
著者はファイナンシャルプランナーなどのお金のプロではなく、脳神経外科医。
「なぜお医者さんが節約の本を?」と思うかもしれません。
でも脳のしくみがわからなければ適切な行動はできません。買い物も同じ。
意外と脳はしっかりと考えていないのです。
それゆえに満足度の低い買い物をしてしまうことに気づかないといけません。
うわべだけの節約や投資のテクニックだけでは、充実したお金の使い方ができるとは限らないでしょう。

無駄遣いを引き起こす心理的な効果

私達の脳はエネルギーを節約するため、深く考えなくても判断を下せるように作られています。
・多くの人の意見を参考にする
・何かと比べる
・目立つ特徴から判断する
以上のように、何らかの手がかりによって商品の価値を決めて「欲しい」と思っていることが多いようです。
こういった脳の特徴によって引き起こされる心理的効果はたくさんあります。
代表的なものを見ていきましょう。

バンドワゴン効果

大勢が選んだものを良いものと勘違いする。逆に、少数しか選ばないものを支持する「スノッブ効果」も存在。

ハロー効果

1つの目立つ特徴から他の部分の評価まで決める。企業広告で3B-Beauty(美人)、Baby(赤ちゃん)、Beast(動物)-を使うと商品への好感度が高まるという報告もある。

損失回避性

「得をする」ことより「損をしない」ことを優先する。

アンカリング効果

先に目にした数字によって損得を判断する。元値がわかる状態で値引きされているとお得感が強まる。

保有効果

一度手に入れたものは簡単には手放せない。「返品可」とあっても容易に返品しない。

返報性の原理

好意を受けるとお返しをしたくなる。売り手が親切だと買いたくなる。

愛着変化効果

触れたものに愛着を持ち欲しくなる。試着した服は買いたくなってしまう。

実際の失敗例から考える

私は学生時代、15万円する矯正下着を買ったことがありました。
月々のアルバイト代が3万円程度だった私には大きな買い物です。
矯正下着は慣れないうちは上手に着られないので、手伝ってもらうことになります。
あちこちの肉をかき寄せてもらい、「ほらFカップになりましたよ!」などと言われたのです。
実際には生地の間に手全体を入れられるぐらいの隙間があり、Fカップには程遠ったはず。
それでも「長年の貧乳コンプレックスを解消してくれた!」と嬉しくなったのです。

その後、席に座らせられて長々と説明。
この時私は「ここで買わないと言ったらこの人は長い間タダ働きをしたことになる。店側の損失にならないように、早く買うと言わなくては!」と思い始めました。
好意や手間に報いたいという返報性の原理です。
さらに「3セット買いましょう」と言われたのを途中で「2セットでいいですよ」と譲歩されたことでアンカリング効果も働きました。
試着したのだから買いたいという愛着変化効果も。

結局、「収入が不安定でローンは組めない」という理由から、1セット15万円の矯正下着を1セット買い一括払いにすることになりました。
2セット買うことをなんとかまぬかれたとはいえ、貯金をほぼ使い果たしてしばらくギリギリの生活をすることに。
もちろん私の胸は大きくなりませんでした。
私達はいろいろな脳のクセで買わなくてもいいものを買ってしまっていることがあるのです。

本当に欲しいものを手に入れるには

1.主語を「私」にする
他人のことは考えず、自分がどうしたいのか考えましょう。セールストークや広告に踊らせられることがないよう、「これは私が本当に欲しいものか」と自問してみて。

2.「いつ、どこで、誰と」使うか明確にする
買った物をどんなシチュエーションで使うか、具体的に思い描いてください。使う目的があいまいなまま買うと、そのまま眠らせることになるかも。

3.「見栄」や「見返り」の考えを捨てる
人は「こんなふうに見られたい」といった見栄や、「これを買えばきっとほめてもらえる」という見返りを意識してしまいがちです。でも他人の考え方は自分でコントロールできず、期待通りの結果が出ないと失望してしまいます。

以上の3つを心がければ、自分の本当の欲しいものが見えてくるようです。
高い物を買うのが無駄遣いではなく、本当は欲しくない物を買ってしまうのが無駄遣い。少しずつでも意識していきたいですね。

◆記事を書いたのは・・・danngo
中高国語科教員免許を持つ、活字中毒気味のアラフォー。高学歴・高血糖・高齢出産の三高ライター。「家事は化学、子育ては文学」を信条としている。

※参考文献……『そのお金のムダづかい、やめられます』菅原道仁、文響社、2016
※記事は本の内容を私なりにとらえなおしてまとめたものです。

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