あの頃、ストッキングはおばちゃんだった

2020/02/15
  • 2児の母です。ペーパー歯科衛生士の専業主婦で、丼くらいの器で奮闘してます。もっと見る>>

東北の山の裾、田んぼの真ん中生まれの三田とりのです。

幼稚園と小学校は片道3キロを徒歩通学、中高は片道10キロ弱を自転車通学しておりました。
当時は物凄く嫌だったのですが、今考えてもやっぱり嫌です。

そんなちょい北国のジャガイモ娘だった私でもかかっていた呪いがあります。
それは。

ストッキングを履いている女子はおばさんであるーーー

というものです。
アムラー、ルーズソックス、ギャル文化全盛の時期に学生だった私。
それらのどれにも引っかからない読書大好きオタク女子を邁進しておりましたが、そんな私ですら、断固ルーズソックスを拒否した私ですら逃れられなかった呪い。

真冬に雪が積もり、さらにその上からしんしんと雪が降っていようとも、

生脚でなければおばさんである。

これはもう完全に呪いでした。
中高の女子にとって「おばさん扱いされる」事がいかに辛いか。
おばちゃんから見たら非常に失礼な話ですが、そこはそれ、女学生の浅はかながらに真摯な気持ちであります。
絶対に馬鹿にされたくない思春期のプライドが、北国の冬に勝つのです。

制服+ストッキングという格好をした事、ありません。
吹雪の日も生脚でした。

今考えれば当然の忠告

普段大して意見をしない父が、何度か言いました。

「女の人が若い時に足腰を冷やすのは絶対に良くない」
「どこそこのナントカさんが苦労してる、カントカさんも辛いと言ってる」

思春期の女子によく知らないおばあちゃんの足腰が辛い話をした所で、隣の部屋の布団の上に置いたスマホのバイブより響かない。

じゃあ車で送ってくれよ、遠いんだよ!
くらいの感想しか出ない。

中には制服のスカートの下にジャージを履いてくる女子もいましたが、校則違反なので注意されます。
生真面目堅物な私は頑としてジャージも拒否。
外ではルーズソックスを上に伸ばして履くことにより暖を取る、という荒業を使う猛者もいましたが、私はルーズソックス拒否派だったためそれも不可能。

したがって、気合いで越冬しました。
若かった。
非常に若かった。

そんな私の現在は

長距離通学で鍛えられた身体のおかげか、現在も生脚越冬からくる不調に悩まされてはいません。

が、産後お腹と腰が隠れる下着とパンツ(もしくはタイツかレギンス)を着用しないと落ち着かなくなった私。
現在の下半身は、

防御&防御&防御です。

首と手首と足首を温めると身体が冷えない、特に足首の辺りは婦人系のツボがあるので温めたほうが良い、とのこと。

ダメ押しのレッグウォーマー、これがあるのと無いのとで全然違うので、毎日着用してます。
マフラーとレッグウォーマー、この2つは良いです。
防御力がガツンと上がります。

名実ともにおばちゃんになった今、私に生脚の呪いは効かないのです。

大人って素敵です、心が楽になるから。

北国から見たオシャレあるある

オシャレ雑誌の服装は関東の人向けだなと思ってます。

冬でも薄着なんですよね。
シュッとしてる。

その昔、冬のオシャレを見ながら思っていたこと。

何で冬用のコートの下が半袖ニットとかいう無茶が可能なのか、全く理解できませんでした。

まず厚着で外に出て車のエンジンをかけて暖房も入れておき、ストーブの前に陣取って着替えて素早くコートまで羽織り、車内が暖まった辺りでダッシュで車に走り込めば、何とかなるか。

いやでも、車外に出たら凍っちゃうんじゃないかと。
セクシーもなんも、全身鳥肌でえらい事になりますでしょ。
寒い寒い寒い。

成人式の2次会で、雪が積もった中コートの下が半袖ニットとという同級生がおりまして、
「あの時のニットは驚いた、めちゃくちゃオシャレだった」
と、その後数年間にわたって話題にのぼりました。
そこに居た多くの北国女子がド肝を抜かれたと言っても過言ではありません。
私なんか、20年近く経つ今も覚えているくらいなので。

最近は良い肌着が出てきてありがたいです。
モコモコしなくても暖かく着られるので。

今年は暖冬で寒い日が少ないですが、冬が来るたびにこんな話を脳内でしております。

そんな経験から、制服に黒タイツを推しているおばちゃんです。
黒タイツ、デニールの数字の大きいやつ、ぜひ流行らせて履かせてあげたい。
冬はねぇ、寒いんですよ。
無理する事ァ無い。
これに限らず、呪いは過去の物になれば良いと思っちょります。


◆この記事を書いたのは・・・三田とりの
時折、地元の方言がポロリとこぼれて相手に困惑される上京組の専業主婦。流行りに乗れないどん臭さと、乗らなくてもまぁいいやと思える図太さを持つ2児の母。

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