「油料理」は敵じゃない!管理栄養士おすすのメリット&取り入れ方【3選】

2022/03/14
  • 管理栄養士&食生活アドバイザー。5歳娘のママ。食と栄養に関する記事執筆、栄養相談をメインに活動中。 もっと見る>>

こんにちは。普段はあっさり料理をつくることが多い、サンキュ!STYLEライターのゆかりです。

脂っこい料が好きな人の中には、太るから控えめにしている人もいるのでは?

炭水化物(糖質)やタンパク質に比べると、1gあたりに9kcalも含む脂質は高カロリー。
けれども、おいしく食べたり健康を維持する上ではかかせない役割も持っているのです。

この記事では、管理栄養士である筆者が、脂質をとるメリットと上手な摂り方について紹介します。

こってりとあっさりの違い

ラーメン屋さんなどで、好みのものを選ぶ時に「こってり」や「あっさり」という表現を基準に選んでいたりしないでしょうか?

言葉の意味としては、しつこいか、しつこくないか、ということを表しています。
なんとなく私たちは、脂っこいか、そうではないかで判断しているかもしれませんね。

食べた時に油脂が口の中に残る感覚があれば「こってり」、そうでなければ「あっさり」ということができるので、料理への油脂の使用に左右されないということができそうです。
食材の持つ食感やとろみの有無によっても、油脂の口の中での感覚には違いが生まれます。

脂質の果たす役割とは?

そんな油脂ですが、栄養学的には脂質と呼びます。
炭水化物(脂質)やタンパク質が4kcalであるのと比較する、脂質には2倍以上ものエネルギーが含まれています。

とった分のエネルギーが消費しきれずに残ると、体脂肪として蓄積されて肥満につながることに……

ダイエッターにとっては敵視されがちな脂質ですが、体にとっては効率よくエネルギーを手に入れられる貴重な栄養素なのです。
それ以外にも、
・細胞やホルモンをつくる材料となる(性ホルモン・副腎皮質ホルモンなど)
・油に溶けやすい栄養素の吸収を高める(ビタミンA・D・E・Kなど)
・体温の保持や内臓を保護する
といった役割大切な役割も担っています。

バランスよく脂質を取り入れるコツは?

摂取カロリーを減らすために脂質を制限する人もいますが、先ほどのメリットが得られなくなるだけでなく、ホルモンバランスの乱れ、体力低下、皮膚炎、脳出血などを引き起こすとこともあるのです……

そういうことからも、脂質は適度に取り入れることが大切。
そこでおすすめするのが、次の3つの方法です!

【1. 肉より魚からとる】

脂質の中でも、血液中の中性脂肪やコレステロールを高めてしまう心配のある「飽和脂肪酸」のとりすぎに特に注意が必要です。

肉には飽和脂肪酸が、魚には不飽和脂肪酸が多く含まれています。
同じこってりであっても、脂質の質が違えば、体への影響も異なるのです。

また、魚には不飽和脂肪酸の中でも、オメガ3脂肪酸(n-3系脂肪酸)が多く、血液の状態を良くして生活習慣病などの予防にも役立ってくれるのです。

【2. 蒸す、煮るなどの調理をする】

脂身たっぷりの肉や魚であっても、蒸したり煮ることによって油脂を減らすことができます。

また、豚の角煮をつくる時のように、適度に脂を落とした方が食べやすくなったり臭みをとることも可能に。

そういったことからも、油を加える必要のある炒め物や揚げ物ではなく、こういった調理法を選んでみては?

【3. 食物繊維を多くとる】

野菜、海藻、きのこなどに多く含まれている食物繊維。
お腹の調子を整えて便秘改善に役立つことで知られていますが、とり過ぎた脂質の吸収を抑えてくれる働きもあるのです。

脂っこい料理を食べるときや肉料理が続くときには、ぜひ積極的に食物繊維を含む食材を摂胃入れていきましょう。


このほか、キッチンペーパーで余分な油脂を拭き取ったり、脂身の少ない部位を選ぶことも大切です。
工夫次第でこってりが好きな人も、体へのデメリットを抑えることができますよ。

また、あっさりが好きな人も、オリーブオイルやごま油などの香りを加えることで、料理のおいしさを引き立たせることに役立ちます。(仕上げに数滴でもOK)

ぜひ、紹介した内容を参考に、賢く油料理を取り入れてみてくださいね!



★この記事を書いたのは・・・

管理栄養士&食生活アドバイザーのゆかり
年長の女児のママ。食材記事の監修、食育サイトの栄養相談や献立作成などで活躍中。個人で食育イベントの実施や、地元のケーブルテレビの食育番組に出演しています。
食べること、料理すること、喋ることが好きです。

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