本物の「葛粉(くずこ)」は万能薬⁉ ニセモノとの見分け方や料理への取り入れ方とは?

2023/03/14
  • 管理栄養士&食生活アドバイザー。5歳娘のママ。食と栄養に関する記事執筆、栄養相談をメインに活動中。 もっと見る>>

こんにちは。体を温める食材を積極的に取り入れている、サンキュ!STYLEライターのゆかりです。

みなさんは、「葛粉(くずこ)が体を温める」というのは聞いたことがあるでしょうか?
主成分は片栗粉と同じくでんぷんなのですが、そのほかにも多くの効果的な成分を含むため、嬉しい効果がたくさん秘められているのです。

この記事では、管理栄養士である筆者が、葛粉に期待できる効果とおすすめの食べ方についてご紹介します。

葛粉とは?

葛粉は、葛湯(くずゆ)として飲まれたり和菓子の材料として使われることが多く、葛餅(くずもち)や葛切り(くずきり)として食べたことがある人も多いのではないでしょうか。

でんぷんを多く含むため、水分を加えて加熱すると濃度によってもっちりとした食感になったり、とろみを付けてくれる食材です。一般的にはゴロゴロとした小さな塊をしていますが、商品によってはサラサラとした粉状になっていることもありますよ。

そんな葛粉には、「イソフラボン」や「サポニン」といったマメ科特有の成分も含まれています。

中国最古の薬物学書に薬効が記されていたり、江戸時代の日本でも漢方としてすでに用いられていたとされています。
現在は、かぜのひき始めに効果的として知られている葛根湯(かっこんとう)をはじめ、10種類以上の漢方薬に配合。体を温めること以外に、風邪の症状や解熱、鎮痛、消炎などで処方されているのです。

本物とニセモノの見分け方は?

そんな効果の幅広い葛粉ですが、でんぷんが蓄えられている葛の根を土から掘り出し、繊維状に粉砕してアク抜きや沈殿を繰り返し、さらに乾燥させるなどの手間ひまがかかる工程で製品化されています。
そのため、収量が少なく、ほかのでんぷん食材と比べると高価になっているのです。

少しでも値段を下げるために、商品によっては葛でんぷん以外にさつまいも由来の甘藷(かんしょ)でんぷんや、じゃがいも由来の馬鈴薯(ばれいしょ)でんぷんが加えられていることも。

葛粉の効果を期待するのであれば、100%葛粉でんぷんを選びたいところですね。
パッケージの原材料欄に「本葛」だけの表示があるものを探すようにしてみてください。

葛粉たっぷりのおすすめの取り入れ方は?

和菓子だけでなく、ゼリーやクッキーなどの洋菓子材料としても使われる葛粉。
片栗粉の代わりに揚げ物の衣に使ったり、ゆるやかなとろみを生かして、あんかけや葛煮といった料理に使うこともできるのです。

ちょっと今日は冷えるな、という時や風邪を悪化させたくない時には、たっぷりとれるあんかけ料理がおすすめ!
だしで具材を煮込み、やわらかくなったらだしの重さの10%ほどの葛粉を水に溶き、片栗粉を使う時のように回し入れてかき混ぜながらひと煮立ちさせるだけ。

筆者は、シーフードミックスと冷蔵庫にあったにんじん、小松菜を使って具だくさんのあんかけをつくって食べてみました。(だし100mlに対し、葛粉10g+水20ml使用)
すると、低温が続く日だったのですが、食べた前日よりも食べた日のほうが冷えを感じずに過ごしやすいと感じましたよ。

ぜひ、気温が変化しやすい時期の体調管理として、葛粉を活用してみてはいかがでしょうか?

<参考サイト>



★この記事を書いたのは・・・

管理栄養士&食生活アドバイザーのゆかり
小学生女児のママ。食べること・料理をすること・喋ることが好き。講師、食材記事の執筆・監修、食育サイトの栄養相談や献立作成などで活躍中。個人で食育イベントの実施や、YouTubeチャンネルを運営しています。

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