「発酵食品」や「食物繊維」を取らない方がいいことも?腸トレが成功しない人に知ってほしい「FODMAP」
こんにちは!日頃から食の悩み相談を受けている、サンキュ!STYLEライターのゆかりです。
筆者は管理栄養士ということもあり、毎月開催している食育イベントでいろんな世代の人と話をする機会があります。その中で、「体にいいといわれているものを摂ると具合が悪くなる」という話を聞いたことで、何が原因として考えられるのか調べてみることに!
この記事では、そういった人に考えられる原因と対処法についてご紹介しています。
身の回りの方で同じような経験をした人がいたり、ご自身が今後そういった状況になった時に悩まなくても済むよう、参考にしてみてくださいね!
どんな食材が影響するの?
たとえば、グルテンフリーや糖質カット(ロカボなど)で小麦粉は摂らないようにしたり減らすことはあると思いますが、発酵食品、食物繊維、オリゴ糖などというキーワードは、体に良いから積極的に摂り入れているという人も多いのでは?
それらには、腸内環境を整える効果が知られていますが、摂らない方が調子が良くなるという人もいるのだとか。
具体的な食材としては、次のような食材に多いといわれています。
・豆類全般(大豆、いんげん豆、ひよこ豆、レンズ豆など)
・納豆
・大麦
・小麦粉製品全般(うどん、パスタ、ラーメン、ピザ、パンケーキなど)
・とうもろこし
・にんにく、たまねぎ、ねぎ、にら
・ごぼう
・アスパラガス
・りんご、もも、ドライフルーツなど
・乳製品(牛乳、ヨーグルト、一部のチーズなど)
この他、食べる量が多いと影響を及ぼすものに、一部の野菜やナッツ類が含まれています。
食べると体の中で何が起こる?
では、なぜ、これらの食材が反対の影響をもたらすのでしょうか?
医学用語では、SIBO(小腸内細菌増殖症)やIBS(過敏性腸症候群)といった病名が付けられ、そういった人の腸の機能は正常に働いていません。その状態で小腸で吸収されにくい食材を摂ると、小腸の中で炎症が起きて細菌が繁殖し、ガスが溜まってお腹が張ったり、腸内環境が悪化して慢性的な便秘や下痢を引き起こすことに……
腸トレや腸活という流行りにのって、体にいいという食材を片っ端から試してみたけれど、効果がないどころか調子が悪くなっていた人は、そういった疾患に近いようなことが体の中で起きていた可能性も考えられるのです。
対処方法は?
内視鏡検査などをしないと、そういった疾患は特定できないのですが、食材を自分で選んで食べて体調をコントロールすることは可能です。実際に、SIBOやIBSの人たちの治療として、(オリゴ糖、単糖類、二糖類、ポリオールという4種類の糖質の頭文字から作られた言葉である)「FODMAP(フォドマップ)」が少ない食事法があり、それを継続することで症状が改善されることがあるのだとか!
低FODMAP食とされるものには、
・米、玄米
・米粉製品全般(ビーフン、フォーもOK)
・そば
・オートミール
・タピオカ
・ブロッコリー、にんじん、ほうれん草など
・バナナ、いちご、みかんなど
・バター、マーガリン
・アーモンドミルク
といったものがあるようです。(これらは一例で、発表機関によって分類が異なることもあります)
ほかにも、調味料や飲料にも気を付けた方がいい種類があるので、より具体的なことを知りたい場合は医師が解説しているサイトなどを参考にしてみてくださいね。
心当たりがある人は医療機関で検査を受けたり、ご自身の普段食べているものに偏りがないか見直してみては?
自分の体に合うものを選ぼう!
「〇〇を食べると体にいい!」という食材は多くありますが、栄養学的に正しい情報であったとしても、個々の体の状態によって100%合うというものではないことを知っておくといいですね。
すべての高FODMAP食(前半の食材例)を避けるのをおすすめするものではなく、体調不良の原因の一つとして知ってもらうために紹介しました。
なお、低FODMAP食(後半の食材例)に限定した食事にしてしまうと、栄養が不足してしまう可能性や、それまでの食生活を我慢しなければならなくなる人も。そんなストレスを受けると症状の悪化に繋がることもあるので、症状の深刻な人は専門家に相談するなど、慎重に摂り入れてみてくださいね。
★この記事を書いたのは・・・
管理栄養士&食生活アドバイザーのゆかり
年長の女の子のママ。食材記事の監修、食育サイトの栄養相談や献立作成などで活躍中。個人で食育イベントの実施や、地元のケーブルテレビの食育番組に出演しています。
食べること、料理すること、喋ることが好きです。