その食べ方で「味オンチ」になるかも⁉亜鉛不足だけじゃない味覚障害の原因とは?
こんにちは。手作りの食事はだしや香りを生かして薄味を心がけている、サンキュ!STYLEライターのゆかりです。
だしとして使われる食材には、うま味を感じさせる成分が含まれています。その成分が低濃度でも敏感に気づく人もいれば、濃くしないと全然わからないなどの個人差が存在します。この味の感度が悪いほど、「味オンチ」の烙印を押されてしまうことに……
味オンチで笑える話で澄めばよいのですが、ある食べ方を続けることで味覚障害になる可能性もあるのだとか!味が分からないと、食べても物足りず甘いものを食べ過ぎたり、塩分の摂り過ぎになるリスクもあります。
この記事では、管理栄養士である筆者が正常な味覚を保つための食べ方について紹介します。
味覚障害の原因とは?
食事は、塩味、甘味、酸味、苦味、うま味などをバランスよく感じることによっておいしいと感じることができます。ところが、味覚障害になってしまうと、全ての味や一部の味の感度が低下してしまって味を感じにくくなったり、本来とは違う味に感じてしまうようになります。
原因は多くあるのですが、味覚障害の半分以上は「亜鉛不足」といわれているのだとか。
亜鉛は、カルシウムや鉄などと同じミネラルの一種で、新しい細胞を作る時に必要な栄養素です。舌に存在する味を感じる細胞は、短いサイクルで新しくつくり変えられているため、亜鉛が不足すると正常な細胞が作られなくなってしまうのです。
ただし、亜鉛を十分に摂っていても味覚障害が起こることがあります。それは「鉄不足」によるもの。鉄欠乏症では貧血やだるさなどが有名ですが、舌の表面がつるつるとした形状に変化して炎症を起こし、味を感じにくくなるケースもあります。
味覚を鈍らせるNG食習慣とは?
味がわからなくなってしまうと、食べる楽しさや喜びが失われ、生活の楽しみが減ってしまうことに……
そうならないためにも、普段の食事でミネラルなどが不足しないよう、バランスよく食材を取り入れるようにしたいものですね。
予防に役立つ栄養素を多く含む食材には、次のようなものがあります。
・亜鉛:かき、かに、牛肉、レバー、ナッツなど
・鉄:レバー、魚介類、大豆製品など
亜鉛や鉄などのミネラルは、酸味のあるものやビタミンCを含むものと食べることで体への吸収率を高めることができます。逆に、アルコールを摂ると、亜鉛の消費が増えたり排出されやすくなるので注意が必要です。
また、栄養素を意識した食事をすることに加え、取り入れてほしいことがあります。それは、「よく噛んでゆっくり食べること」。
なぜかというと、唾液の分泌量が減ってくるとドライマウスと呼ばれ、口の中が乾燥した状態になってしまうから。本来、脳で味を感じるためには、食べたものが水分と混ざり合って、舌の細胞に触れる必要があります。通常は噛む動作によって、あごと耳の間にある唾液腺が刺激されると、唾液が口の中に出て潤うようになるのです。
ドライマウスは加齢が原因で起こることもありますが、年齢に関係なく十分に噛まず早食いをしたり、不規則な生活や強い精神的ストレスを受けることなども関係すると考えられています。
忙しいからといって、「よく噛まなくても飲みこめる飲料で食事を済ませる」、「短時間で食事を済ませている」、「やわらかい食感のものばかり食べている」といった習慣のある人は要注意!
日々の食習慣を見直そう!
唾液は、水分を増やすだけでなく消化酵素も含んでいるので、口の中で食べ物の一部を分解してより味を感じさせやすくしてくれる役割もあります。
一例ですが、普段からあまりよく噛んでいない人ほど、白米をそのままを食べるのが苦手なのだとか。
試すと実感しますが、白米だけを一口30回噛んで食べると、でんぷんが分解されて強い甘みを感じることができます。本来、「味わう」というのは調味料の味を認識するだけでなく、こういった食材の味そのものを感じ取ることなのです。
毎日は難しいとしても、週に1回でも落ち着いて食事の時間がとれるように調整してみてはいかがでしょうか。
食事を空腹を満たすためだけに扱うのではなく、「おいしさを味わう大切なこと」であることを再認識してみてくださいね!
★この記事を書いたのは・・・
管理栄養士&食生活アドバイザーのゆかり
年長の女の子のママ。食材記事の監修、食育サイトの栄養相談や献立作成などで活躍中。個人で食育イベントの実施や、地元のケーブルテレビの食育番組に出演しています。
食べること、料理すること、喋ることが好きです。