【一汁三菜ときどき一菜】バランスの良い食生活への第一歩とは

2020/11/13
  • 管理栄養士の資格をもつずぼら主婦。日々の食事づくりが楽になるコツなどを紹介していきます。もっと見る>>

管理栄養士の資格をもつずぼら主婦の松崎茉莉奈です。【一汁三菜ときどき一菜】シリーズでは、バランスの良い食事を気軽に続けるコツについて紹介していきます。
シリーズ初回の今回は、バランスの良い食事を実現しやすい「一汁三菜」とは一体何なのか、なぜ「一汁三菜」献立がいいのかについて紹介していきます。

そもそも一汁三菜ってなに?

一汁三菜とは、白飯などの主食に汁物と3つのおかず(主菜+副菜2品)を組み合わせた食事のことです。本来、三菜はなます・煮物・焼き物の3種類で構成されますが、家庭料理においては肉・魚などのタンパク質源を中心とした主菜+野菜などを中心とした副菜2品で構成するといいでしょう。
たとえば、次のような食事が一汁三菜の献立です。

【例】
・白飯
・鮭の塩焼き(主菜)
・ほうれん草のお浸し(副菜)
・人参とごぼうのきんぴら(副菜)
・豆腐とわかめのみそ汁(汁物)

いわゆる古くからある日本の伝統的な食事ですね。
しかし、必ずしも和食でなければならないというわけではありません。以下のように、洋食や中華料理でも一汁三菜の献立を作ることができます。

【例(洋食)】
・ロールパン
・鶏肉のグリル(主菜)
・ラタトゥイユ(副菜)
・サラダ(副菜)
・かぼちゃのポタージュ(汁物)

【例(中華料理)】
・白飯
・麻婆豆腐(主菜)
・春雨サラダ(副菜)
・豆苗の炒め物(副菜)
・白菜のかきたま汁(汁物)

ちなみに日本食の基本的な膳立てには一汁三菜のほかにも、一汁五菜、二汁五菜、三汁七菜などがあります。多くは三汁十五菜なんてものもあるようですよ。

なぜ、一汁三菜がいいの?

いざ、栄養バランスのとれた食生活を送ろうとしても、いちいち食材や調味料のグラムを計って栄養価計算をしなければならないのであれば、長続きはしません。
そんなとき、一汁三菜の献立を意識すれば、自然と栄養バランスのとれた食生活を実現することができるのです。

そもそもバランスの良い食事とは、5大栄養素である炭水化物、脂質、タンパク質、ビタミン、ミネラルがバランス良く含まれている食事のことを指します。それぞれの主な摂取源は以下の通りです。

・炭水化物……白飯、パン、麺類などの主食
・脂質……肉・魚類、油脂類など
・タンパク質……肉、魚、卵、大豆製品などの主菜
・ビタミン・ミネラル……野菜、きのこ、海藻、果物などの副菜や汁物

一汁三菜はこれらが摂取しやすい、理想的な献立であるとされています。
現代の食生活においては特にビタミン、ミネラルが不足しがちですが、一汁三菜献立にはこれらの摂取源である野菜やきのこを中心とした副菜2品と汁物が含まれています。
また、使用する食材の種類や品数が多いと自然と満足感が増すため、食べ過ぎの防止にもなります。

近年、炭水化物や脂質はダイエットの敵、なるべく摂取しない方がいいというような風潮もありますが、どちらも生命を維持するうえで重要な栄養素です。極端に摂取を減らすと身体に支障をきたす可能性があります。
しかし、食生活の欧米化が進み、これらの栄養素が過剰摂取になっているのも事実。
大切なのはバランスです。適切な栄養素を適切な量だけ摂取するよう心がけましょう。

バランスの良い食事は「一汁三菜」から!

一汁三菜というと、これぞ和食というような丁寧な食事をイメージするかもしれませんが、実際は白飯などの主食+汁物、主菜、副菜2品で構成されていれば、洋食でも中華料理でも一汁三菜と呼ぶことができます。

もちろん、一汁三菜献立にしたからといって、毎回理想的なバランスの食事になるとは限りません。組み合わせによっては偏った食事になることもあるでしょう。
しかし、長い目で見て、総合的にバランスがとれていればいいのです。そのあたりのことは次回の【一汁三菜ときどき一菜】シリーズでお話します。
バランスの良い食事は「一汁三菜」から。まずは今夜の食事から試してみはいかがでしょうか。

記事を書いたのは・・・松崎茉莉奈

管理栄養士の資格をもつずぼら主婦。”おいしい食事は楽しい料理から”をモットーに、栄養バランスの取れた食事を無理なく続けるコツについて紹介しています。

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