【年末調整】今知りたい!税と社会保険の話(その3)退職した場合

2021/11/25
  • 年間200万円貯蓄を10年以上継続した、FP2級の社労士です。スイーツ大好きな2児のママ。 もっと見る>>


こんにちは。サンキュ!STYLEライターで社会保険労務士のはらともです。
前々回の「【年末調整】今知りたい、税と社会保険の話(その1)税金の扶養と健康保険の扶養は似ているけど違うの?」を読んでくださって、今回もこちらのページをみて下さった方、ありがとうございます。もし、まだ読んでいない方は(その1)に目を通してから、こちらを読んでいただけると幸いです。

さて、今回は、退職した場合の税と社会保険について、サラリーマンの夫(60歳未満)の妻(60歳未満)が退職した場合をご紹介します。

退職した場合(社会保険は何に入る?)

さて、妻が退職した場合の社会保険(ここでは、健康保険(介護保険含む)と国民年金保険をいいます)は、どうなるでしょうか?

1. 健康保険は夫の扶養、国民年金保険は第3号被保険者になる。
(健康保険、国民年金ともに保険料の負担なし)

2. 健康保険は任意継続被保険者、国民年金は第1号被保険者になる。
(健康保険は、在職時の2倍の保険料。国民年金は毎月16,610円(2021年11月現在)

3. 健康保険は国民健康保険、国民年金は第1号被保険者になる。
(国民健康保険料(税)は、前年度の所得と地区町村により異なる。
国民年金は毎月16,610円(2021年11月現在)

 このように、退職後にはいくつかのケースが想定されます。

ハローワークから失業等給付(基本手当)をもらっている間は、扶養に入れない?

失業保険と呼ぶ方が多いですが、ハローワークから受ける失業等給付については、非課税ですので、税法上の収入とはみられません。一方、健康保険の扶養認定においては、被扶養者の収入とみられます。

ほかに収入がない場合、失業等給付を受ける間は、その基本手当の日額が3,611円以下※(協会けんぽの場合)であれば、失業等給付をもらっていても、健康保険の扶養に入ることができます。(※130万円÷360≒3611円)

基本手当の日額が3,612円以上の場合は健康保険の扶養になることができず、国民健康保険か任意継続被保険者のどちらかの加入と、国民年金は第1号被保険者として保険料負担があります。自己都合退職などでの給付制限期間中や失業等給付の受給が終了した後は、健康保険の被扶養者となり国民年金は第3号被保険者になることができます。

国民健康保険料(税)や国民年金保険料は、夫婦どちらの保険料控除にしてもいい?

年末調整時や確定申告時に、国民健康保険料(税)や国民年金保険料について申告することで、社会保険料控除が受けられます。一般的には、税率の高い方が申告した方が控除のメリットがあります。どちらで申告しなければいけないという決まりはないので、ご夫婦で有利な方で申告することも可能です。

もしも、扶養控除等の誤りが分かった場合

年末調整の注意点として、配偶者の収入をざっくりと過少に申告してしまい、後日、税務署の調査が入り、年末調整のやり直しや所得税(復興特別所得税)の追徴などを求められるケースも時々見られますので、ご注意ください。

記事を書いたのは・・・・・・はらとも
元銀行員&FP2級で、貯蓄が得意です。面倒くさくて家計簿はつけていませんが、そんな私の貯蓄術も少しずつ紹介していきたいと思います。

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