【介護】久しぶりに両親に会ったら物忘れがひどい…これって認知症ですか?
片づけのプロ・ライフオーガナイザーで介護士のおだけみよです。
介護の仕事を始めてから
「親に介護が必要になったときはどうしたらいいの?」
「介護のサービスってどうやったら受けられるの?」
介護に関して聞かれることが多くなりました。
実は私も介護とは今まで縁がなく、今の仕事(介護職)に就くまで、介護に関する知識はゼロ。介護の現場に出て「これは知っておかないと」と日々感じています。
今回はおそらく今一番よく聞かれる「認知症と物忘れ」について紹介します。
年齢とともに脳は老化していく
高齢になると誰でも「物忘れ」と言われる現象が起こりやすくなります。
私のような年代(40代・50代)でも、「携帯をどこに置いたっけ?」「この約束、誰との約束だっけ?」と、うっかり忘れることがあります。
人の脳は加齢とともに機能が老化します。
記憶力、判断力、適応力などの衰えが出始め、物忘れも多くなりますが、これは自然な老化現象で認知症ではありません。
この場合はヒントを与えてもらうことで、思い出すことができます。
認知症の症状にあたる「物忘れ」とは?
前途は老化によっておこる自然現象ですが、認知症の場合は「物事を記憶する機能が障害」されます。
つまり、「携帯をどこかに置いてしまったこと自体を忘れる」「約束をしたこと自体を覚えていない」というように、記憶の一部が完全に欠落します。
従って、ヒントを与えても思い出すことができなくなります。
「ご飯を食べていない」は認知症あるある
例を挙げると、アルツハイマー型認知症では直近の記憶を覚えていられないという特徴があります。
食事を摂ったこと自体を忘るので、食事を催促したり、「おなかが空いた」と訴えることが多々あります。
忘れてしまうので不安になり同じことを何度も尋ねます。
筆者の場合は夕食のあと、早い利用者さんだと食後15分後辺りから「晩ごはんまだ?」「朝ごはんは何時から?おなか空いた」と訴えられます。
他に起こりやすい現象
「ごはんまだ?」以外に、起こりやすい現象をいくつか紹介します。
●薬の飲み忘れ
●火の消し忘れ
●洗濯物の干し忘れ
●同じものを何度も買う
一番大事な対処法は「頭から否定しないこと」
例えば夕食を食べたにも関わらず、まだ食べてないと言い張るような場面の場合、つい「今食べたでしょう」と言ってしまいたくなります。実際に何度も聞かれればイラっとしてキツク答えることもあるでしょう。
でも、食事を催促したり、同じことを何度も尋ねることは、本人にとっては不安だからです。
頭から否定せず「次のごはんは何時」など、不安を和らげる返答をしてみるのが効果的です。
稀に軽度の認知症の場合はヒントをあたえると思いだすこともあります。
筆者の場合「ご飯食べたっけ?」と聞かれたときに、ごはんもメニューを伝えることもあります。
症状などに合わせて、対応を工夫してみるとよいと思います。
物忘れを補う工夫をし、何度も聞かれそうなことに対処しておく
食事の場合は、朝昼晩何時ごろ食べるのかを書いて壁に貼ったり、今食べたメニューをスマホで撮って、思い出せそうな場合は見せることがあります。
・薬の飲み忘れがないよう薬ポケット付きのカレンダーを使う
・空焚き防止機能の付いたコンロを使う
など。
物忘れを補う工夫が必要になります。
簡単にできる脳トレを毎日行ってみる
物忘れ防止のために、介護施設では食事の前に簡単な脳トレを取り入れています。
●今日の日時を質問する
これはレクレーションなどで始めと終わりに必ず聞いています。
最初はちゃんと答えられた利用者さんでも、最後に聞くと違っている、思い出せないことが多々あります。
●言葉あそび
「野菜の名前」「魚の名前」「動物の名前」など、思いつくものを言ってもらいます。
一日三個の少ない数でも、毎日続けることが大事です。
これらは簡単なことですが、脳にはいい刺激になっているようです。
異変に気づいたら早めの受診を
「おかしい」と思っても、なかなか相談する相手がいないことが多いですよね。
つい、介護職や看護師などをしている友人知人に聞きたくなりますが、認知症は早期発見が重要です。
早めに診断・治療を始めると、進行を遅らせたり、日常生活の工夫で改善できることもあります。
異変を感じたら、早めにかかりつけの医師などに相談して適切な治療を受けてください。
この記事を書いたのは…おだけみよ
ライフオーガナイザー/介護士
汚部屋主婦から片付けのプロに。
介護士として認知症高齢者が共同生活を送る介護施設スタッフとして働きながら、
片づけのプロ・ライフオーガナイザーとして活動。
サンキュ!STYLEでは家事ら楽になるコツの他、介護が気になる同世代に向けて介護初心者情報も発信中。