年賀状を書く前に…「新年あけましておめでとうございます」は間違い?
サンキュ!STYLEライターで気象予報士・防災士の資格をもつフリーアナウンサー、坐間妙子です。
アナウンサーになって12年。
子供の頃からアナウンサーになることを夢見ていた人が多い中で、私は大学入学後に目指し始めた後発組です。
なんとかアナウンサーになったものの、就職してからもモノを知らずに苦労をしました。
アナウンサーは【日本語のプロ】であるように思われますが、今でも試行錯誤しながら言葉を学んでいます。
今は後輩に指導をする立場にもなりましたが、この時期になると特に気になる言葉があるのでご紹介します!
「新年あけましておめでとうございます」使っていませんか?
仕事柄、年末年始もテレビやラジオでニュースを伝えることが多くあります。
お正月はニュースの冒頭で「あけましておめでとうございます」と、新年の挨拶をすることもあります。
これが
「新年 あけましておめでとうございます」
となると、間違いなのです。
あけるのは、旧年。
新年は、あけた状態。
「新年 あけまして」は、重複表現になるのです。
正しくは、
「新年 おめでとうございます」
「あけましておめでとうございます」
に、なります。
ただ、言葉は生き物で使われ方は時代とともに変わっていきます。
「新年あけましておめでとうございます」も多くの人に使われるようになり、使うことが完全に間違いではないと考える方もいます。
使っていいの?よくないの?と思ってしまいますよね。
こういうことに出会ったとき、わたしは、
「使ってしまったものは仕方ない。
でも、これから使うときはできるだけ使わないようにしよう」
と考えるようにしています。
元日と元旦の違い
お正月にまつわる言葉で紛らわしい言葉をもうひとつご紹介しましょう。
「元日」
「元旦」
これも、お正月の紛らわしい言葉のひとつです。
漢字で見れば、たった一本の線があるかないかです。
「元日」は「一月一日のこと」
「元旦」は「一月一日の午前中のこと」
つまり「元旦の朝」というのは重複表現になり、おかしいことになりますね。
また「元旦に会いに行くね」と言った場合に一日の午後に行くと「約束と違う!」となり兼ねないので注意が必要です。
先述した「新年あけましておめでとうございます」でも出てきた重複表現。
「馬から落馬する」「濁流が流れる」など漢字が重複していると分かりやすいのですが、気づかないところが使ってしまうことがあるものなのです。
おしまいに
言葉って難しいですよね。
先述した通り、言葉生き物で、使われ方は時代とともに変わっていきます。
私たちアナウンサーのバイブル「日本語発音アクセント辞典」も2016年に18年ぶりの大改訂が行われ、大きく変わりました。
アナウンサーの言葉は基本的に目に見えないものですが、ライターの書くものは文字として形に残るので、書くときは更に気を遣います。
ただ、正しい言葉がすべてではなく、惹きつける文章はまた別物。
わたしはライターのみなさんの記事を読んで、勉強の日々です。
この記事を書いたのは・・・坐間妙子
気象予報士と防災士の資格を持つフリーアナウンサー
ママ1年生として子育てと仕事に奮闘中!
四季を楽しみながら防災やSDGsについて発信しています