浴衣を着たいけど自分に似合うかわからない…タイプ別の選び方を着付け師が解説

2023/07/09
  • 気象予報士として講演・執筆を行うかたわら、野菜たっぷりの作り置き料理を代行する出張料理人としても活動中。野菜ソムリエ、食育インストラクター、薬膳マイスターなどの資格や、東北~関西まで各地に住んだ経験から、健康や美容にうれしい食材や、いざという時に備える災害食にも詳しい。 もっと見る>>

今年の夏こそ浴衣が着たい!と思って探してみると、ひと昔前まで違って驚くほど浴衣のバリエーションが増えていることに驚く人も多いのでは。
ネットで探してもたくさんあるし、レンタル浴衣のお店に行っても何百種類と並んでいて悩んでしまいますよね。
今回は、京都仕込みの着付け師がタイプ別浴衣の選び方を解説します!

「色」は好きなものを選んでいい

洋服の場合、自分の肌トーン(ブルーベースかイエローベースかなど)に合わせて似合う色を選ぶ必要がありますが、浴衣の場合はそこまで神経を使う必要がありません。

というのも、だいたいの浴衣には1着に複数の色が含まれているので、どの1着を選んでもその中に1色くらいは自分に合う色が含まれている可能性が高いからです。

じつはインターネットで検索すると、着物の選び方とパーソナルカラーを解説したページもかなり存在します。
確かに着物の場合は単色のものもありますが(特に真夏用の着物やフォーマルな「色無地、上半身が無地の「色留袖」など)、浴衣ではかなり珍しいと思います。

さらに浴衣の場合、複数の色が含まれるだけでなく、同系色だけでまとめた柄というのもかなり少ないため、気軽に好きな雰囲気のものを選んでも大丈夫なのです。

この浴衣の場合、紫・白・赤・緑と、異なる系統の色が使われている。

「柄」はタイプ別に選ぼう

色と同様、柄についても比較的好きなものを選んで構わないのですが、背の高さや体型によってはある程度、似合う・似合わない傾向が存在します。

ぽっちゃり体型の人

ふっくらした体型の場合、身長の高低に関わらず、大判の柄を避けるのが無難です。
アクセサリーの場合は大きめのピアスをつけると小顔効果がありますが、浴衣の柄の場合は逆効果。

柄が小さめのものや、大小両方の柄が入っているもの、そして余白が多いものがおすすめです。

なお、縦じま模様の浴衣はスラっと見える効果があるのですが、着付けのゆがみがバレやすい柄なので、初心者の人が自ら着付ける場合はあまりおすすめしません。

背が低くて普通~細身体型の人

小柄な人におすすめなのが、斜めに柄が入ったタイプの浴衣。
身長が低い人でも伸びやかなイメージを持たせる効果がありますし、大人っぽく見せる効果もあります。

また、ぽっちゃり系の人同様、余白なく柄でぎっしり埋め尽くされたデザインはあまりおすすめできません。
柄の迫力に体型が負けてしまうためです。
(ただ、背が低くても、目鼻立ちがかなりはっきりしていて顔のインパクトが強い場合は似合うことがあります。ケースバイケースですね!)

背が高くて普通~細身体型の人

スラっとした体型の人は、浴衣美人へ最短距離で到達できるタイプです。
もうだいたいどんな柄でも似合います。

洋服の場合、背が高いと可愛らしい柄が似合わないことがありますが、浴衣なら多少可愛らしい柄でも帯さえ渋めのものを締めておけば解決することが多いです。

また、他の体型の人が避けなければならない大柄の浴衣や、全身に余白なくぎっしり柄が入った浴衣も、着こなすことができます。
ぜひ今まで着たことのないタイプの柄にも挑戦してみてください。

とにかく「楽しむ」のが一番大事!

浴衣を着ている本人が和装を楽しみ、いきいきとした表情をしていれば、似合わない浴衣のほうが少なくなります。

以前、時代劇の日本髪を結う職人さんが「日本髪が似合うのはどんな女性?」と聞かれて、はじめのうちは顔の輪郭や目の大きさの話をしていたのが、途中から「性格がよくて気遣いができる女性は似合う」という話になってしまったインタビューを読んだことがありますが、まさにその通りだなと思います。

和装は内面がにじみ出るもの。
「浴衣を着て出かけるのが楽しい」「思いきって着てみてよかった」…そんな前向きな気持ちが、浴衣美人への近道なのです。

■この記事を書いたのは・・・サンキュ!STYLEライター植松愛実
本業の気象予報士と副業の料理人、2足のわらじを履く主婦。京都在住時、西陣織工業組合で着付けの師範資格を取り、伝統行事での着付けや和装イベント開催などの傍ら、自らも和装を楽しむ。

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