
気温が上がる春、野菜の保存場所も変えるべき!?やりがちなNGを野菜ソムリエが解説
- 気象予報士として講演・執筆を行うかたわら、野菜たっぷりの作り置き料理を代行する出張料理人としても活動中。野菜ソムリエ、食育インストラクター、薬膳マイスターなどの資格や、東北~関西まで各地に住んだ経験から、健康や美容にうれしい食材や、いざという時に備える災害食にも詳しい。 もっと見る>>
気温がぐんぐん上がる春の時期は、人にとってはちょうどいい気温になってうれしい反面、これまで常温保存していた野菜は大丈夫かな…?と不安になることもありますよね。
実際、冬から春になるタイミングで保存方法を変えたほうがよい野菜もありますし、春によく食べる野菜で意外とNGな保存場所に置いている人が多いものも…!?野菜ソムリエ・食育インストラクターのサンキュ!STYLEライター植松愛実が解説します。
気温が上がってきたら常温→野菜室へ!

冬の間、さまざまな野菜を常温で保存していた、という人もいるのでは。たとえばナスやトマトなど、温度が低すぎると低温障害を起こして傷んでしまう野菜や、丸ごと買ったら常温保存できる大根や長ネギなどは、冷蔵庫に入れていない人も多いと思います。
ただ、春になって次第に気温が上がってくると、一般的な家庭では野菜の常温保存に向かない室温になることが多く、できれば冷蔵庫の野菜室に移動するのがおすすめ。なおトマトに関しては、青い部分がある状態で買って追熟させたい場合は、2~3日室温で置いてから野菜室に入れてください。
また大根のように丸ごと冷蔵庫に入れるのが難しい大きさのものは、半分や1/3に切ってラップにつつみ、ポリ袋に入れて野菜室に入れましょう。
春でも常温のままOKなものも

春になって暖かくなっても、引き続き常温で保存できる野菜もあります。たとえば、さつまいもは20℃以下であれば発芽させずに保存できるほか、里芋やじゃがいもは25℃くらいまでなら保存可能です。
とはいえ、ひとくちに春と言っても、だんだん季節が進むにつれ1日のなかで20℃を超える時間が長くなっていくので、おおむね「汗ばむ陽気」くらいになってきたら、さつまいもは野菜室にしまいましょう。
ただ、さつまいもは寒さにも弱いので、新聞紙などにつつんでから野菜室に移動すると、温度が下がりすぎず低温障害をある程度防ぐことができます。
また、「汗ばむ陽気」をとおりこして半袖でちょうどよくなってきたら、25℃を超えている目安。夏が近づいて半袖で1日中すごせる暑さになってきたら、じゃがいもや里芋も、新聞紙など紙につつんで冷蔵庫の野菜室に入れましょう。
春野菜の保存場所、あってる?

じつは春野菜のなかには、意外とNGな場所で保存している人が多いものもあります。
たとえば、新玉ねぎ。通常の玉ねぎなら冷蔵庫に入れず風とおしのよいところに吊るしておけばよいですが、新玉ねぎは常温保存に向いていないので、冷蔵庫の野菜室に入れましょう。
(ちなみに通常の玉ねぎは、じゃがいもと同様に夏は野菜室に入れたい野菜ですが、じゃがいもと違って低温障害を起こさないので、じつは年間とおして野菜室でもOKです!)
新玉ねぎと同じタイミングで出回る新じゃがいもについては常温でもOKですが、野菜室のほうが日持ちします。
また、アスパラガスは野菜室の温度だと少し暖かすぎるので、冷蔵室がおすすめ。そのほか春はにんじんの出荷も増えますが(「春にんじん」と呼ぶことがありますよね)、にんじんもできれば冷蔵室に入れてください。
正しい場所で保存して野菜をコスパよく消費しよう
野菜をちゃんと保存しておいたつもりでも、いつのまにか傷んでしまっていたり、食べられなくはないけど変色してしまったり…ということがありますよね。もちろん原因はさまざまですが、保存場所に気をつけるだけで、ムダを大きく減らすことができます。
せっかく買った野菜ですから、ぜひ今回ご紹介したポイントを参考にして、できるだけよい状態で保存してコスパよく消費しましょう!
■この記事を書いたのは・・・サンキュ!STYLEライター植松愛実
身近な食材でできる時短作り置き料理やパーティー料理、簡単に彩りを増やせる料理のコツや、いざという時に備える災害食まで、「食」に関する情報を発信。また、東北や東海、関西にも住んだ経験から、各地の伝統的な食材にも詳しい。野菜ソムリエ、食育インストラクター、気象予報士など保有資格多数。